センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)
レイチェル・カーソン(著), 上遠恵子(翻訳)
5つ星のうち4.4
¥584

「沈黙の春」の著者レイチェルカーソンの本で、
子どもが持っている自然界の神秘への興味を重要性を説いたもの。

レイチェルカーソンが書いた部分は、全体の三分の一ほどであり、
残りは専門家による感想・解説で構成されているため注意が必要。

レイチェルカーソンの記載の部分は、
優しい文体で大事なものを思い出させるようなメッセージ性が溢れていて良いのだが、
それ以降の専門家による部分が蛇足。
私にはこんな知識がある、すごいでしょ、と言わんばかりの内容であり、
鼻についてイライラしてしまった。

質の高い著書が編纂により価値を失わせた例。残念。

かくれた「わたし」を見つける! 【ハピかわ】心理テストBook

かくれた「わたし」を見つける! 【ハピかわ】心理テストBook (池田書店)
はぴふるガール編集部(編集), こまた しいな(その他)
5つ星のうち4.1
¥950

私が非常に面白いと感じた「自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール」のシリーズの一つで、
心理テストを通じて自分の深層心理を理解しようとする女の子の話。

心理テストの問題と結果の組み合わせには根拠を感じないが、
色々な結果の人のタイプをうまくカテゴライズし、
文章として表現するところは、モノづくりとして参考になり有益。

心理テストの解説の後に、
日常から気を付けることを具体的な方法で書かれており、
ターゲット層(女子小学生)の意識改善には有用だろう。
心理テストという手を出しやすい取っ掛かりを使い、
本書の意義を達成させるというビジョンの伝え方も勉強になった。

ゲームプランナーのドキュメント作成例<基本編> ゲームプランナーの参考例シリーズ

新入社員のゲームプランナーの方に向けて、
中途社員で入った経験者の方が仕事のイロハを教えていく話。

タイトルからはイメージできないが、内容は実用書というよりも小説であり、
ゲームプランナーという仕事の紹介と持つべきマインドなどの解説が、
物語を通じて行われるのが特徴。

仕様書(設計書)の作り方についてだけが解説をされるのではなく、
「目理方結」「現原対変」という独自の仕事の姿勢が説明され、
これが非常に参考になるものだった。
ゲームプランナーだけでなくても仕事に生かせる考えだと感じた。

ゲームプランナーという職業が
どのようなことが大変であり、何に悩むのかということについて
感情移入できる形で描かれ、
業界を知る第一歩になった。

娘はいじめなんてやってない

自殺未遂をした同級生の遺書に、
いじめの加害者として、娘の名前が書かれていたところから始まる話。

本人が意識不明の中で、
あることないことの推測が入り混じっていくのが恐ろしい。
どの親もわが子を大事に思っており、何よりも信用しようとするが、
子どもとしても、どのように自分の感情を親に伝えていくのかを
難しく悩んでいるのが現実味がある。

幼いころにいじめてしまって後悔している様子もつらいし、
いじめられた子がずっと覚えているものも納得できる。

いじめということが、どのような影響があるかを追体験できる良い本。
子どもがこの本を読んだらどのような印象を持つのか興味がある。

怪盗グルーのミニオン大脱走

怪盗グルーのミニオン大脱走 [Blu-ray]
笑福亭鶴瓶(出演), 松山ケンイチ(出演), 中島美嘉(出演), 芦田愛菜(出演), 須藤祐実(出演), 矢島晶子(出演), いとうあさこ(出演), 山寺宏一(出演), 宮野真守(出演), 福山 潤(出演), ピエール・コフィン(監督)
5つ星のうち4.4
¥1,080

怪盗グルーシリーズの3作目で、
悪党にダイアモンドを盗まれたグルーが、仲間たちと取り戻す話。

全体的に感動するような脚本になっているのだが、
親子愛やグルーとミニオンの愛情などの要素を詰めすぎており、
一つ一つが薄く感じてしまった。
また、悪役もそこまで魅力的ではないのも残念。
期待ほどのデキではなかった。

初めてでも失敗しない 家づくり超攻略法

注文住宅を建てるにあたって、
どのような手続きが必要かや、どのようなことを気を付けるべきかを
体系的に記載している本。

先日読んだ「図解でわかる! 理想の家づくり 超入門」よりも、
さらに細かく専門的に書かれている。
まずは、「図解でわかる! 理想の家づくり 超入門」で大枠をつかみ、
そのあとでこの本を読むのが良い。

改めて、今の時代ではどのハウスメーカーであっても、
地震には強く、そこそこの性能はある、ということは理解できたが、
ただその中でも、ハウスメーカーごとの強みなどを知ることができて良かった。

家族全員でいじめと戦うということ。

自分の娘がいじめを受けていることに気が付いた親が、
解決に向けて、学校や子どもたち、それぞれの親と関わっていく話。

とても面白い。

登場人物が多く、初めのほうは混乱してしまうため、
どの名前の子どもがどのポジションにいるのか、
一番初めの登場人物紹介ページで、都度把握して読み解く必要がある。

簡単に見える話だったところが、
いじめの真相がわかってくるにつれて、
それぞれの子どもたちにも考えがあることがわかり、
登場人物の印象が、どんどん変わっていくのが素晴らしい。

全員の親が子どものことを大事に思っているところは救いだが、
それによって、事態がさらにややこしくなっていく様子もあり、非常に難しい。
どの子どもも苦しんでおり、
大人があてにならなく頼りにできない様子や
「自分がいじめられても仕方がない」と思ってしまう様子など、
どうすればよいのかわからないもどかしさに、共感できてしまう。

「いじめ」という問題に対して、
大人だけでなく、子どもの視点でもどのようなことが起こりえるのかを追体験できる本。
オススメ。

図解即戦力 ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書

ゲーム業界について、今のトレンドやゲームという商品の商業紹介、
関わる職業や会社などの全般的な知識が記載されている本。

ゲーム業界そのものについて、広く浅く描かれており、
内容はGoogleで検索したところとほとんど変わらないように思えるが、
情報が集約されている、という意味で、
Webで勉強するよりもパフォーマンスは高いだろう。

深いところまでは理解できないが、
「とりあえず何か知識を仕入れたい」と思った際に参考になる本。

住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

筆者が建てた家ごとの間取りやこだわりを紹介している本。

何よりも性能を上げた注文住宅が良いとされているが
計算式もよくわからず、
それ以外についても、メンテナンスなどのデメリットばかりを挙げており客観性がない。

WB工法を何よりも大事にしていてその根拠に疑問がある。
また、本の後半に書かれた間取りやこだわりについても、
筆者の主張が強いだけで全く共感ができない。
残念ながら、参考にならない本だった。

未来のキャリアを守る 休職と復職の教科書

産業医として多くの社員の方と面談をしてきた筆者が、
スムーズな休職と復職のノウハウを記載した本。

とても参考になる。

代表的な精神疾患についての説明や、
休職をすべき人の特徴、
休職をするまでのスムーズな流れと、
復職するまでの準備内容を体系的に記載されている。

なによりも、復職をした後に元の部署で活躍をすることが大事とされていて
職場目線でも現実的な内容であるのが特徴。

特に適応障害で休職をしたのちに、
そのまま復職をするだけであっても、事象が再発しやすいということが挙げられ、
休職期間中の活動について、
「休息期」「回復期」「復職準備期」の3ステップで段階的に経ていくとして、
それぞれのタイミングで何をやればよいか、具体的に書かれておりわかりやすい。

実際の休職前のコンディションでは、文字を読むことも大変のため、
体力があるうちに読んでおきたい本。