マンガ」カテゴリーアーカイブ

左ききのエレン<全24巻>

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックス)
nifuni(著), かっぴー(原著)
5つ星のうち4.5 5つ星のうち4.5

熱意はあるが絵の才能がない男性と、絵の才能はあるがそれ以外が足りない女性を描く話。

面白い。

様々な切り口を使って見せ方を変え、
ひたすらに「才能とは何か」が書かれていく。
上手くいくことばかりではなく、苦しむ様子、つらい様子が並行して描かれていくため、物語に深みを感じる。

「すべてを犠牲にしたその先にようやく見えるもの」という感覚にとても共感でき、
多くのクリエイターは、感情移入できる作品だと感じた。

話の事件列がごちゃ混ぜになって展開されるが、
書き方が工夫されているためか混乱することはなく、
逆に未来のことがわかっているため、安心して読めるという、不思議な作りにも感動した。

作者の独特の仕事観や人生観も、とても参考になり、
広告業界についても丁寧に解説され、勉強になる。

登場人物全員にキャラがたっており、しびれるようなカッコいいセリフ、コマの見せ方も多く、
漫画としても、大変満足のいく作品だった。

亜人<全17巻>

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)
桜井画門(著), 三浦追儺(著)
5つ星のうち4.3 5つ星のうち4.3

死んでも肉体が瞬時に回復する「亜人」となった主人公が、
他の亜人のテロリストと戦っていく話。

亜人ならではの特徴を生かした戦闘やふるまい方、
そして、人間と亜人とのギャップの書き方がうまい。
まともに見えていた主人公が、だんだんと不気味になっていく様子も魅せており
次にどうなるんだろうとヒヤヒヤする、

ただ、全体的に行き当たりばったりであり、スカッとする場面があまりないのが残念。

初めの盛り上がりこそすごかったが、どんどんテンポが悪くなり、
結局どういうことで、何がやりたいのかがわからないまま終わってしまった印象だった。

オナ禁エスパー 竜丸短編集


オナニーを我慢することで超能力が使える中学生男子が、隕石から地球を守る話。

面白い。

とにかく勢いがすさまじく、バカバカしい内容を
有無を言わせない圧倒的なテンポ感で魅せていく。
内容やセリフが常軌を逸しているにもかかわらず、
いちいちカッコよく見せる様に大笑いしてしまった。

エイリアン9-エミュレイターズ-


「エイリアン9」の続編であり、過去「エイリアン対策係」だった3人が、中学校で事件に巻き込まれる話を描く。

全体的にイマイチ。

世代という考え方が良くわからず、敵が何をしたかったのかも結局伝わらなかった。

前作は、設定が説明不足ではあったものの、それを上回る世界観で魅せており、
「この世界ではそういうものである」と納得させるだけの表現方法だったのだが、
本作では、ただわけのわからないままで、話が進んでいる印象。
「人間に害をなす怪物をやっつける」というだけで話が終わったり、
女の子の感情変化の理由が、受け取れないままであった。

前作のキモが「小学校最後の1年間で成果をだせるかどうか」という部分で、
限られた時間の中で、様々な暗躍があるところだったために、
そういった意味でも、今回の中学生の話は蛇足と感じてしまった。

エイリアン9-コンプリート-<全3巻>


エイリアンが出没する地球で、「エイリアン対策係」に任命された3人の小学生が、力を合わせてエイリアンを退治する話。

面白い。

人間の持っている技術力でエイリアンの侵略を阻止するのではなく、
すでに存在しているエイリアンと共生して、他のエイリアンからの侵略を防ぐというのが特徴。

「なるたる」のような系統であり、可愛い絵柄でほのぼのと始まったところから、
話が二転三転し、どんどん救いのない展開となっていく。
少しずつ世界観が明かされていき、残酷な話が、
彼女たちの環境では当たりまえのように説明されていくため、目が離せなくなる。

残念だったのは、登場人物の顔が、全員同じように見えてしまうところであり、
差別化できていた髪型も、戦闘中は、帽子をかぶりながら行動をするため
初めは、誰が誰なのかが見分けがつかなかった。

最後が若干の説明不足であるが、これはこういうものとして、面白いSFであると感じた。

マンガでわかるマンション管理員

マンガでわかるマンション管理員
河村 誠(著), 南野 苑生(著), 堀田 孝之(著)
5つ星のうち4.4 5つ星のうち4.4

マンション管理人として働いた経験を漫画にしたもの。

マンション管理人というと簡単で楽なイメージが強いが、
実際には全くそうでないことがわかる。
苦労した点や嬉しかった点などが赤裸々に描かれるが、
ほとんどの仕事が、建物の管理よりも対人の折衝であり、
マンション住人の民度が低ければ、とんでもない大変な仕事であることを知ることができた。

筆者と奥さんが良い人であり、最終的に報われていくため、後味を良く読めた。

トリガー<全5巻>

トリガー(1)
トリガー(1)
posted with AmaQuick at 2023.01.01
武村 勇治(著), 板倉 俊之(著)
5つ星のうち4.3 5つ星のうち4.3

各都道府県に一人ずつ、「トリガー」と呼ばれる、銃を持ち発砲を許可された人物が配備された日本の話。

面白い。

それぞれのトリガーは己の悪と認識したものを、容赦なく殺害していく。

各話で主人公が異なる、オムニバス形式をとっているのだが、
それぞれの主人公で異なる信念があり、その信念のものに発砲していくのが楽しい。

また、トリガーだけでなく、トリガーの周りの環境の商売や、殺害された遺族などにも焦点が当てられていく。
この制度が発令されたら起こり得そうな負の出来事も存在するため、話に説得力があった。

単なる勧善懲悪ではないところが、見どころともいえる作品。

蟻地獄<全4巻>

蟻地獄 1
蟻地獄 1
posted with AmaQuick at 2023.01.01
板倉俊之(著), 武村勇治(著)
5つ星のうち3.4 5つ星のうち3.4

借金を返済するために、死体探しに翻弄する青年の話。
お笑い芸人のインパルスの板倉が原作を書いたもののコミカライズ版。

面白い。

あの手この手で死体を探そうとするものの、なかなか都合よくいかない展開が続く。
それでもどうにか知恵を振り絞り、何とかしようとしていく様は
スピード感にあふれ、一気に読むことができる。

予想外なストーリーと、主人公の知能戦が見たければぜひ。

十二人の死にたい子どもたち<全3巻>


自殺するために集まった12人の少年少女が、自殺現場で死体を見つけるサスペンス。

パーティゲームの人狼のように、参加者で話し合いを行って、多数決で方針を決めていく。
謎だらけだったところから、だんだんと全貌がわかっていくのは面白い。

キャラクターが多いため、初めこそは混乱したが、話し合いを通じて、
だんだん、それぞれ性格が浮き彫りになっていくので、最後には整理して読むことができた。

トリックを理解するには、それぞれの台詞の細部まで読み込む必要があるが、
そこまでしなくても、なんとなく楽しめる作品。

サスペンスであるものの、「何が起きていたのか」というところに焦点が当てられ、
参加者に絶対的な悪が存在しないため、気軽に読むことができた。

角川まんが学習シリーズ 日本の歴史<全16巻>


縄文時代~令和にかけての日本史を漫画としてわかりやすく表現したもの。

とても面白かった。
小学生~中学生程度をターゲットとしており、その分わかりやすく描かれている。
肩肘を張らずに、とっつきやすく学ぶことができた。

「いろいろな政策があり、その成功失敗を踏まえて、次の政策がなされていく」という、骨太の大河ドラマを感じることができる。
短期間で日本史を理解することで、それぞれの出来事が連続して、大きな流れができていることがわかる。
「日本史」という分野の面白さを、改めて感じることができた。

単語は頭に残っているものの、具体的にどのような意味を持つのか、あいまいだったところも、理解し直すことができた。
中学~高校で学んだ知識を、一括で学び直すことができ、とても良かった。