お話を聞くことが得意な女の子と、
人々から生活ゆとりの時間を搾取する「灰色の男たち」との関わりを描く話。
ゆとりのある生活をしている人々たちが、
「灰色の男たち」が暗躍によって、
だんだんと心に余裕のなくなっていく様子が、読んでいてとても怖い。
主人公だけが取り残されて、感情移入しやすいストーリである。
中盤からは女の子の冒険小説になり、
超常的な存在との会話やマイペースな亀との掛け合いがワクワクする。
「仕事で成功をするために時間を倹約して、人間らしさ失うような生き方」を
否定している作品であり、
まさに今の時代の人々の生き方に警鐘を鳴らしているものだった。
これが1973年に発刊されたと知って驚いた。