飛行迷宮学園ダンゲロス 『蠍座の名探偵』 (講談社BOX)

超能力を扱う世界観の中で、
仲間を殺した犯人を探すため、他校の生徒たちが主人公の高校に乗り込んでくる物語。
私が大好きなダンゲロスシリーズの小説の一つ。
漫画版は読了済み。

相変わらずのダンゲロスの世界観という印象。
主人公側に能力者がいないことに対して、
癖のある能力者たちが蹂躙していく様は絶望するし、見ごたえがある。
他の作品ではまず見ることのない斬新な能力者のバトルも楽しめる。

一応ジャンルとしては推理小説を掲げているが、
そもそも「なんでもあり」の世界観のため、
謎解きの爽快感というよりは「ああ、そうだったのね」という程度に落ち着く印象。

まずはシリーズ一作目『戦闘破壊学園ダンゲロス』を読んでその世界観に触れ、
奇想天外なバトルの魅力に惚れ込んだら、続けてこちらを読むと良いだろう。。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
ビル・パーキンス(著), 児島 修(翻訳)
5つ星のうち4.4
¥1,683

お金の「貯め方」ではなく「使い方」に焦点を当てた啓発書。

「死んだらお金は使えない」という前提のもと、
どのような意識を持ってお金を使っていくべきかが詳細に書かれている。

著者は、残りの時間・健康・お金のバランスが重要であり、
その年齢や健康状態でなければ使えないお金については、
積極的に使うべきだと説く。
この理論はまさにその通りだと思うし、大いに参考になった。

これまでは投資などで収入を増やすことばかり意識していたが、
残りの寿命を意識しながら、どのタイミングで何を行いたいのかを
考えるきっかけを与えてくれる本だった。

宇宙の卵<全2巻>

宇宙の卵 上 (ジャンプコミックス)
程野 力丸(著)
5つ星のうち4.5
¥1,715 (コレクター商品)

念じただけで人を殺せる能力を得た人類の話。

斬新な世界設定で、
細かい条件の発想次第でいくらでも話を広げられるため、
始めのほうはワクワクしながら読んだが、
全体的にSF設定を生かし切れていないのが残念。

主人公の行動が全体的に雑であり、エピソードの向かう先がふわふわしていた。
解決方法については納得したが、それを実現するまでの調査や研究が省かれており、
全体的にご都合主義で進んでいったのが気になった。

ダレカレ

ミニゲームのようなマウスクリックだけで読み進めるビジュアルノベルゲーム。
1時間ほどでクリア。

とても面白い。

どのゲームも説明がないが、
直感的に理解できるレベルデザインになっているのが秀逸。

ある女性を描いたストーリーなのだが、
ゲームの状況とマッチしており、心に来るものがある。
遊んだおかげで、自分の今後の人生についてまでも考えさせられてしまった。
このような作品を遊べることは幸せだ。

ぜひ事前知識なしにプレイしてほしい作品。
ダウンロードはこちらから。

インターステラー

インターステラー [Blu-ray]
マシュー・マコノヒー(出演), アン・ハサウェイ(出演), ジェシカ・チャステイン(出演), エレン・バースティン(出演), マイケル・ケイン(出演), クリストファー・ノーラン(監督)
5つ星のうち4.5
¥4,990 (コレクター商品)

気候変動によって地球が住めなくなり、
人類の移住先となる他の星を探す話。

SF要素は強いものの、脚本は現実性を意識して作られているようで、
相対性理論による時間の乱れや、ワームホールによる空間のねじれを利用した航海の描写は、
理系であれば「本当にあり得るのかも」と錯覚させられるような内容だった。
また、未知の惑星に到達したときのワクワク感も非常に良い。

ただし、物語の都合上とはいえ、
終盤は完全にフィクションの世界観に寄ってしまい、
見ていて少し冷めてしまったのは残念だった。

35年目のラブレター

子どものころに教育を受けられず、
読み書きができないまま定年を迎えた男性が、
妻のためにラブレターを書こうと勉強を始め直す話。

面白い。

平成から令和の時代のかけての実話がもとになっており、
とてつもなく苦労したと思うが、
主人公が前向きに勉強に取り組んでいくさまはグッとくるし、
それを支えようとする妻や子ども、職場の人たちの温かさが身に染みる。

夜間中学で、様々な経歴の人たちが一緒に勉強をしていく様子も良く
こういった教育の場が用意されていることも知れて良かった。

三鷹北口謎解き街歩き(むずかしい)

三鷹駅北口の中央通りで開催されている街歩き謎解き。
3店舗ほどのお店にキットが置かれており、無料で挑戦できる。
難易度は「やさしい」と「むずかしい」の2種類があり、今回は「むずかしい」に挑戦した。

謎を解くことで次の目的地がわかる仕組みになっており、
同じ場所を何度も行き来することもなく、遊び手に配慮された作りになっていて良かった。

途中、5つ目の謎がどうしても解けず、LINEでヒントを確認してしまったが、
理不尽さはなく納得感のある内容で、悔しさを感じるほど。

所要時間はおよそ1時間。
初めて街歩き系の謎解きに挑戦したが、とても満足できる体験だった。

公式ホームページはこちら

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

鬼殺隊という組織に所属する人間が、人間に害をなす鬼と戦う話。
時系列は柱稽古編の次にあたり、これまでのあらすじは描かれないため、
前作の視聴は必須となる。
原作の漫画は読了済み。

相変わらず映像は非常に美しく、
ぬめるように滑らかに動く戦闘シーンは手に汗を握る迫力。
動きがある分、漫画よりも何が起きているのかわかりやすく良い。

どうすればいいのかわからなくなるほどの敵の圧倒的な強さに、
何度も絶望しながらも立ち上がって戦う姿に思わず応援したくなる。

ただ、前作からのつながりのため、再序盤から敵の根城での戦いに突入し、
緩急をつけるための日常的なシーンはほとんど描かれない。
代わりに、登場人物たちの過去が多く挟まれるのだが、
一つ一つが長めで、テンポの悪さを感じてしまったのは残念な点だった。

タコピーの原罪<全6話>

いじめられっ子の小学生を幸せにしようと、
不思議な道具を持つ異星人がコミュニケーションをとる話。
原作の漫画は読了済み。

異星人と人間は言葉こそ通じるものの、
価値観が致命的に異なっているため、
親切心からの行動であっても、結果がまったく伴わないところが恐ろしい。

さらに、主人公の小学生も、
自分のことしか考えられない幼稚な性格ゆえに、
周囲を巻き込みながら、
物語が後戻りできない悪い方向へと進んでいく過程がゾクゾクする。

アニメ化によって表現がより誇張され、
原作以上に全体を通して狂気を感じられるようになった。

一方で、1話あたりの区切りを広く取れるようになった反面、
物語の畳み方がさらに唐突になり、
原作以上に「そんな展開ありなのか」という印象も受けた。

鬼滅の刃 柱稽古編<全8話>

鬼滅の刃 柱稽古編 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
花江夏樹(出演)
5つ星のうち4.6
¥9,240 (コレクター商品)

鬼滅の刃シリーズの遊郭編の次作にあたる作品。

これまでとは違い、本編では明確な敵がおらず、
主人公たちの修行と、柱と呼ばれる人物の深堀が主な描写となる。
登場人物による、ギャグのような掛け合いが色濃くでているため、
このノリについていけない人にはストレスが溜まるだろう。

話数に対しての達成感が少ないため、
不要な部分を削り、さらに短い話数でテンポよく進むと良かったと感じる。