35年目のラブレター

子どものころに教育を受けられず、
読み書きができないまま定年を迎えた男性が、
妻のためにラブレターを書こうと勉強を始め直す話。

面白い。

平成から令和の時代のかけての実話がもとになっており、
とてつもなく苦労したと思うが、
主人公が前向きに勉強に取り組んでいくさまはグッとくるし、
それを支えようとする妻や子ども、職場の人たちの温かさが身に染みる。

夜間中学で、様々な経歴の人たちが一緒に勉強をしていく様子も良く
こういった教育の場が用意されていることも知れて良かった。

三鷹北口謎解き街歩き(むずかしい)

三鷹駅北口の中央通りで開催されている街歩き謎解き。
3店舗ほどのお店にキットが置かれており、無料で挑戦できる。
難易度は「やさしい」と「むずかしい」の2種類があり、今回は「むずかしい」に挑戦した。

謎を解くことで次の目的地がわかる仕組みになっており、
同じ場所を何度も行き来することもなく、遊び手に配慮された作りになっていて良かった。

途中、5つ目の謎がどうしても解けず、LINEでヒントを確認してしまったが、
理不尽さはなく納得感のある内容で、悔しさを感じるほど。

所要時間はおよそ1時間。
初めて街歩き系の謎解きに挑戦したが、とても満足できる体験だった。

公式ホームページはこちら

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

鬼殺隊という組織に所属する人間が、人間に害をなす鬼と戦う話。
時系列は柱稽古編の次にあたり、これまでのあらすじは描かれないため、
前作の視聴は必須となる。
原作の漫画は読了済み。

相変わらず映像は非常に美しく、
ぬめるように滑らかに動く戦闘シーンは手に汗を握る迫力。
動きがある分、漫画よりも何が起きているのかわかりやすく良い。

どうすればいいのかわからなくなるほどの敵の圧倒的な強さに、
何度も絶望しながらも立ち上がって戦う姿に思わず応援したくなる。

ただ、前作からのつながりのため、再序盤から敵の根城での戦いに突入し、
緩急をつけるための日常的なシーンはほとんど描かれない。
代わりに、登場人物たちの過去が多く挟まれるのだが、
一つ一つが長めで、テンポの悪さを感じてしまったのは残念な点だった。

タコピーの原罪<全6話>

いじめられっ子の小学生を幸せにしようと、
不思議な道具を持つ異星人がコミュニケーションをとる話。
原作の漫画は読了済み。

異星人と人間は言葉こそ通じるものの、
価値観が致命的に異なっているため、
親切心からの行動であっても、結果がまったく伴わないところが恐ろしい。

さらに、主人公の小学生も、
自分のことしか考えられない幼稚な性格ゆえに、
周囲を巻き込みながら、
物語が後戻りできない悪い方向へと進んでいく過程がゾクゾクする。

アニメ化によって表現がより誇張され、
原作以上に全体を通して狂気を感じられるようになった。

一方で、1話あたりの区切りを広く取れるようになった反面、
物語の畳み方がさらに唐突になり、
原作以上に「そんな展開ありなのか」という印象も受けた。

鬼滅の刃 柱稽古編<全8話>

鬼滅の刃 柱稽古編 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
花江夏樹(出演)
5つ星のうち4.6
¥9,240 (コレクター商品)

鬼滅の刃シリーズの遊郭編の次作にあたる作品。

これまでとは違い、本編では明確な敵がおらず、
主人公たちの修行と、柱と呼ばれる人物の深堀が主な描写となる。
登場人物による、ギャグのような掛け合いが色濃くでているため、
このノリについていけない人にはストレスが溜まるだろう。

話数に対しての達成感が少ないため、
不要な部分を削り、さらに短い話数でテンポよく進むと良かったと感じる。

おかあさんライフ。<全3巻>

たかぎなおこのコミックエッセイで、
40代で出産した作者が、日々の子育てを描いたもの。
1冊目が出産後、2冊目が歩き始めたところから、
3冊目が幼稚園に入ってから卒業するまでとなる。

はじめは母親をできるか不安だったところが、
問題なく子育てと仕事を両立させていることがわかる。
苦労はしているものの、筆者らしい優しさが感じ取れられる。
子どもも育っていくにつれて、
だんだん個性を持っていく様子が感じられて可愛らしい。
子育ての追体験ができる幸せになる本だった。

解剖、幽霊、密室

「怪獣を解剖する」の作者が前に書いた短編集。
「複層住戸」「怪獣を解剖する」「天井裏に誰かがいる」の三つの漫画でなっている。
「怪獣を解剖する」については、読み切り版となる。

相変わらず面白い。
どの話も、こんな話なのか、と思いきや、
途中で流れが一転して、先が読めない脚本でワクワクする。

絵も読みやすく、サクッと読めるわかりやすく面白い本でよかった。

怪獣を解剖する<全2巻>

怪獣が生息する日本で、
大型怪獣の死骸に関わる出来事を描くSF漫画。

面白い。

主人公は研究者の視点で未知のものへ好奇心を持っていく一方で、
危険を唱える人や、エネルギーに転換できるための技術を探す人など、
いろいろな人の信念があり、共感できる内容。

世界観の中でもある一部分の出来事だけを切り取った脚本となっているが、
実際に現実でもありそうな話で上手い。
ワクワクできる、とてもよい世界観と脚本だった。

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

人の性格を「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の三種類に分け、
それぞれの思考と行動を成功事例をともに解説した本。

面白い。

一見、他人の利益を奪っていくテイカーが成功すると思いきや、
最終的には、利益を顧みずに様々な人を助けるギバーこそが成功する、
ということを、膨大な事例を共に書かれている。
また、大成しないギバーの特徴も解説されており、
ただ単に与えればよいだけではないのが面白い。

アメリカの本のため、事例がすべて海外の人々だが、
日本でも同じような人々はおり、世界共通の特徴であることがうかがえる。
身の回りの人に当てはめて読み進めることで、
「確かにそういったことはある」と感じることもしばしばだった。

何事においても他者志向が重要であることを
改めて再確認できて満足の内容。
ただ、こういった本を読む人は、
元来ギバーよりの思考を持っている人が多そうであるというジレンマがある。

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

参画プロジェクトで数多くのトラブル対応を行った筆者が、
火消しの際に気を付けることを具体的に記載した本。

とてもわかりやすい。

「プロジェクトを回すための普段からの方法」という内容ではなく、
「問題が発生した後にどのようにリーダーが立ち振る舞うか」という後手のことが、
具合的に書かれているのが特徴。
まさにあるあるな内容ばかりだった。

こういった本にありがちな、あるべき理想像ではなく、
現実的な手法がポイントで記載されるのがとても良い。

プロジェクトが炎上気味になった場合に、対応手引書として非常に有用な内容。
何かあるたびに繰り返し読んで、
考えにブレがないかを自分に落とし込みたいと思った。