君は喧し閉じてよ口を! <全4巻>

君は喧し閉じてよ口を! 1 (ドラゴンコミックスエイジ)
アルデヒド(著), 森田 俊平(その他)
5つ星のうち4.8
¥711

聴覚に障害のある中学生の女の子が、転校先のクラスメイトとの交流を描くもの。

とても面白い。

この手の作品にありがちな、悲観的なエピソードというものはなく、
基本的に、回りの人物との関わりを描いたコメディになる。

男の子のボケと、主人公の毒舌な突っ込みがテンポの良く
脚本やセリフ回しにセンスがあり、
そのやり取りに笑ってしまう。

登場人物の作り方もうまく、
全員が個性的で良いキャラクターのため、
安心して読み続けることができる。

全四巻と短く、サクッと読める良い作品だった。
おススメ。

自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール

自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール (池田書店)
双葉 陽(イラスト), はぴふるガール編集部(編集)
5つ星のうち4.4
¥850

小学生女子をターゲットにした、日常で大事なマナーや立ち振る舞いを紹介したもの。

とてもわかりやすい。

「漫画形式のストーリー」と「意識すべき立ち振る舞いや心構え」が交互に繰り返されていき、
最後まで飽きずに読むことができる。
「ステキ女子計画」を進めていく主人公の頑張りに、共感を持つことが出来て良い。

メインコンテンツであるノウハウが、カラーのイラストでわかりやすく描かれている。
実施すべきことが精神論ではなく、非常に具体的に書かれており、
すぐに実施できることばかりで説得力もある。

ファッションや髪型、可愛い立ち振る舞い、といった女子独自の視点も解説し、
また、あまり他人に言えないような、体のことや感情の悩みについても
アンケート形式という形で客観的に紹介され、
様々な人がいるということに、納得できて安心する内容。

絵も可愛く、内容も非常にわかりやすい良い本だった。

放課後ウィザード倶楽部<全4巻>

夢と魔法のファンタジーのような世界に
寝ているときにだけ冒険できるようになった男の子たちの話。

主人公たち以外にも、多くの現実の人間が
異世界を冒険しており、
戦う以外にも、それぞれの価値観で楽しんでいる雰囲気が良い。

世界観・設定が良くできており、
異世界側で存在している細かいルールが、
伏線として生きていきそうなに張り巡らされている。

しかし、少しずつ盛り上がっていったところで、
途中で打ち切られてしまったため、
終盤が非常に駆け足で、わけのわからない展開になったのが残念だった。

8番出口

無限ループする地下道から脱出する、ホラーゲーム風の間違い探しゲーム。
1時間ほどで、すべての異変を発見。

全く説明がない所からゲームが始まるため、
はじめは何をすればいいのかわからず困惑したが、
10分ほどうろつくことで、ゲームの本質がわかるようになる。

間違い探しが不正解で一番初めに戻されることも多く、
道中でイライラすることも多い。

クリアしても感動するわけではないが、
3Dの間違い探しという新しいジャンルを遊べたことは新鮮だった。

ダウンロードはこちらから。

母という呪縛 娘という牢獄

「滋賀医科大学生母親殺害事件」という実際に2018年に発生した事件で、
加害者が、なぜ殺人事件を行ったかの記録をまとめたもの。
ノンフィクションの作品。

実母をバラバラにして殺害した事件であるが、
加害者の女性が、幼いころから教育虐待をされてる様子が、
当時のやり取りや関係者の取材を通じて描かれ、
非常に境遇が悲惨であることがわかり、同情してしまう。

Lineの文体や取材の様子で、加害者が知的であることも垣間見えるのだが、
そういった方であっても、
事件を起こしてしまう状況や家庭環境が怖く感じた。

親の度が過ぎる教育は、その子供を不幸にするだけだと、
改めて考えさせられたものだった。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

吃音症を持っている女子高生が、周囲と馴染めずぶつかっていく話。

本人は必死にもかかわらず、周りから理解されない様子は
読んでいて非常に心がつらくなる。
少しずつ打ち解けていっても、
もともとの本人のコミュニケーションが慣れていないがゆえに、
相手を傷つけてしまう様子もわかる。

最終的には救いがあり、読後感も良かった。

いろいろな人に読んでほしいと思う漫画。
おススメ。

マンガでわかる株のキホン お嬢様 投資をはじめる!<全3巻>

投資をしたことのない女性に対して、
証券会社に勤務する高校の同級生が、
あの手この手で金融商品を買わせようとする話。

めちゃくちゃ面白い。

どうにかして会社の利益を出すために、
ろくでもない金融商品を、
ずる賢く説明する様子がとても面白く、いちいち大笑いしてしまう。

それぞれの金融商品が、資本主義の理念に乗っ取っている中で、
どういったカラクリで、証券会社が成り立っているかも非常に勉強になった。

ある程度の投資の勉強をしており、
それぞれの金融商品の特性がわかっている人は、
とてもオススメできる作品。

劇場版 名探偵コナン 戦慄の楽譜

劇場版 名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア) [DVD]
高山みなみ(出演), 山崎和佳奈(出演), 神谷明(出演), 山口勝平(出演), 山本泰一郎(監督), 青山剛昌(原名)
5つ星のうち4.6
¥2,080 (中古品)

劇場版 名探偵コナンのシリーズの一つ。
音楽関係者の連続殺人事件が発生している中で、
コナン達がコンサートに呼ばれ、謎を解いていく話。

全体的に、ギミックに「音」が取り入れられており、
他ではあまり見なく斬新で良い。

蘭や少年探偵団たちよりも、
本作のサブキャラクターのヒロインが魅力的に描かれており、
だんだん頼りになる存在としてなっていくのはワクワクした。

これまで見たコナン映画だと、まずまずの良作だった。

ヒナのままじゃだめですか?<全3巻>

生理が訪れた女子小学生が、周囲との接し方に苦労をしていく話。

面白い。

非常に繊細なテーマなのだが、面白おかしく描かれており、
嫌な気持ちにならずに読むことができる。

女の子同士でもデリケートな問題のため、
誰にも相談できなく、一人で傷ついていく様子は見ていて苦しく、
また、良かれと思った周囲の行動が、
逆に本人を苦しめてしまうことも、
現実でもありそうだと、納得感がある。

「女の子」と「女性」という年代の狭間で、
性に対しての苦労を、
わかりやすいストーリーで描かれている良い漫画だった。

カムイのうた

女学生が学校に行くようになった大正時代に、
アイヌ出身の女性が差別を受けながら生きていく話。
実話を元にした映画。

能力が優れているものの、
アイヌ部落出身というだけで、ひたすらに差別で苦労をする場面が描かれる。
最後まで淡々と暗く辛いシーンが続き、
見返りがあるような大きな救いもなく終わった印象。

当時のアイヌ迫害の風潮を知ることのできため、
勉強になるが、見終わるまでに元気が必要な作品。