シャイロックの子供たち

シャイロックの子供たち (本編DVD1枚)
池井戸潤(原著), 本木克英(監督), 阿部サダヲ(出演), 上戸彩(出演), 玉森裕太(出演)
5つ星のうち4.1
¥7,190 (コレクター商品)

ある銀行で起こる汚職事件をテーマにした作品。
半沢直樹シリーズを原作で書いている作者の小説の映画となる。

面白い。

はじめはわかりやすい事件だったところが、
話が進むにつれて、だんだんと本質が明らかになっていくところが怖い。

業績を気にして事件に手を染める社員もリアルだし、
お金を扱う特殊な仕事で起こる事件ということも
説得力があって良い。

少しご都合主義なところもあるが、
最終的にはモヤモヤしたところもなく、映画鑑賞後の感じも良い。

半沢直樹が好きならば、本作も好きになれる企業サスペンス作品という印象を受けた。

パラサイト 半地下の家族

パラサイト 半地下の家族 [DVD]
ソン・ガンホ(Unknown), ポン・ジュノ(監督), ホン・ギョンピョ(映像), チョン・ジェイル(その他), ソン・ガンホ(出演), イ・ソンギュン(出演), チョ・ヨジョン(出演), チェ・ウシク(出演), パク・ソダム(出演), イ・ジョンウン(出演), チャン・ヘジン(出演)
5つ星のうち4.1
¥2,822

ある貧乏な家族が身分を偽り、だましながら企業社長の家庭のもとで働く話。

とても面白い。

上手に社長家庭をだましていき、
少しずつ信用を得ながら、家を乗っ取っていくという様子が、
ホレボレし、爽快感もある。
都度の台詞もユーモアがあり、笑ってしまった。

中盤から大きな場面転換があり、サスペンスとなっていくが、
そこからはすさまじいテンポで進み、
どう話が転がっていくのか予想がつかない展開となって驚いた。

韓国の社会問題がテーマとなっているのかもしれないが、
どのキャラクターも人間性があり、感情移入できるものとなっており、
脚本が非常にうまい。

終わり方の悲壮感も良く、
2時間があっという間に感じられた映画。
オススメ。

ドアを開ける短いゲーム

冒険しコインを貯めることで、さらに行動範囲を広げていく3Dゲーム。
2時間ほどでクリア。

敵などは存在しなく、
ただ、コインを集めて、次のステージに進んでいく散歩ゲーム。

レベルデザインが優秀であり、
ただコインを集めるだけなのに、
詰まることはなくなんとなく次に進めることができる。

綺麗な世界観と心地よい音楽が特徴であり、
スマホアプリのゲームでまずまずの出来という作品。

ダウンロードはこちらから。

理不尽な魔物のヒナ

幼い魔物の面倒をみるシミュレーションノベルゲーム。
2時間ほどでクリア。
鏡のマジョリティアの作者の前作ということでプレイ。

基本的に魔物の健康状態を確認し、
本で得た知識を使って、それに見合った食料を与える、
という流れにになる。

ただ、流れが同じのため
発生するイベントのレパートリーが少なく、
だんだんと飽きてきてしまったのが残念。
一癖あるストーリーだったが、
これまでの流れで、そこまでキャラクターに感情移入できていなかった。

最新作のゲーム性がとんでもなかっただけに、
期待を超えられなかった作品。

ダウンロードはこちらから。

鏡のマジョリティア

主人公だけがルールがわからないカードゲーム「マジョリティア」で遊ぶ話。
ネタバレを見ずに7時間ほどでクリア。

とても面白い。

全くルールがわからない中で、
状況から少しずつ効果を予想して、進めていく。
ルール理解のための仕組みも優しく、
どれだけの未プレイヤーへのテストプレイがあったのか予想がつかない。

何よりも素晴らしいのが、試合の戦略性。

対戦相手のカードが固定されているため、
試合が始まる前に、どれだけ積み込み(イカサマ)を行うことができるか、
それをもって詰将棋のように正解に少しずつたどり着いてくのが、
この上なく気持ち良い。

また、勝利条件が試合によって変わることが大きな特徴であり、
後半になるとゲームバランスを壊すような試合になっていく。
特に、シープという相手とのデッキでは、
カードの効果や展開に度肝を抜かれた。
このような発想ができることに心から尊敬する。

久々に良いゲームをやった。
これだからフリゲは面白いと感じる作品。

ダウンロードはこちらから。

神は見返りを求める

売れない女性Youtuberと、
その作品作りに手伝っているお人よしな男性との関わりを描いたもの。

人気獲得をしたい女性と、
女性と関わり合いをしたい男性とのギャップで
序盤からこれからどうなるのかわからない不穏な空気が流れる。

ひずみ始めると、
お互いにどんどん歯止めがきかなくなっていき、
YouTubeの舞台でエスカレートしていく復讐劇に、
周りの視聴者の反応もリアルで怖い。

YouTubeという舞台で、
人間の心の悪い部分を表現した怖い映画だった。

脱サラフードデリバリー配達員テンパりマンガ日記

UberEatsの配達員が、仕事で印象に残っている体験を紹介するコミックエッセイ。

配達員になるまでの流れや、
配達時に気を付けること、苦労することといった、
配達員側の仕組みを知ることができる。

配達員が参入することに敷居が低く、
よくシステムが考えられており、今の時代にあっていることがわかる。
また、フードデリバリーの業界の台頭により、
お店や利用者側も工夫が進み、様々な需要があることがわかった。

嫌なお客さんなどもいると思うが、
本書に書かれているのは、心温まるエピソードばかりで共感できる内容であり、
普段利用しないサービスを勉強できる良書だった。

クラインの壷

1989年に書かれた小説で、主人公が、特殊な装置を使い、
公開前のバーチャルリアリティのゲームをテストプレイする話。

イメージとしては、20世紀少年や名探偵コナンの「ベイカーストリートの亡霊」のようなもので、
意識が、現実とほとんど変わらない疑似現実世界にダイブするものとなる。

今から30年前以上に書かれたSF小説ということで、
多くの方に作者の先見の明を評価されているようだが、
本テーマであれば、十分にあり得るストーリーでそこまでの驚きを受けるものではなく、
また、設定や世界観の感激も薄かった。

1時間半ほどで読める小説のため、
過去のSFの流行を知りたいならば読む作品。

娘がいじめをしていました (コミックエッセイ)

自分の娘がいじめの加害者となった親が、
周囲とのやり取りを描いたもの。

とても面白い。

タイトルからだと、加害者となっただけかと思われたが、
さらにそこから、また物語が一転し、
登場人物たちが余計に苦しむことになっていくのがつらい。

感情移入をさせるためか、すべてが親視点で描かれ、
どこまでの子どもの話が正しいのかも判別できず、
対応が非常に難しい問題であることがわかる。

親側が過去にいじめを受けていた経験があることから、
余計に、わが子に対して辛く当たってしまうこともわかるのだが、
子ども側としても、漫画内に描かれていないような事情を感じ、
読み手として、一概にあるべき論を語れないものとなっている。

話を知って冷静になれず、事柄を大きくしていく大人たちもリアルで、
どのような対応が、子どもにとって一番幸せになるのかもわからない状況。

非常に考えさせるテーマであり、読めて良かったと思う作品。

すべては子どものためだと思ってた (コミックエッセイ)

わが子の幸せを願うばかりに、
毒親となっていく母親の様子を描いた漫画。

面白い。

子どもの失敗を心配し必要以上に干渉を行うことで、
周りにとって、相当な負担になっていることが描かれる。

本人にとっては善意的な行動であるため、
何か問題が発生しても、自分に原因があると把握できず、
「さらにフォローをしなければ」と
悪循環に陥っていくことが非常に怖い。

だんだんと狂気的になっていく絵柄も、
物語を上手に表現してゾクゾクする。

極端な教育の一例を、手軽に追体験できる漫画だった。