ヤング 島耕作<全4巻>

島耕作が入社してから主任になるまでを描く。

順調に出征していく島耕作だが、
入社当時は自分の正義感と会社とのギャップに苦しんでいることがわかる。
どんな状況でも前向きであり、余計なプライドを持たず
どんどん知識を吸収していくところは
相変わらず読んでいて気持ちよく、見習いたくなる。

当時の時代として携帯電話がない職場や
左翼、北朝鮮の拉致問題などの話など、
想像できないようなことが身近な生活に描かれており
こちらも新鮮で面白い。

これまでの島耕作シリーズを知らなくても
楽しめる内容になっているので、
興味のある人は本編からでも読んでみるといい。

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コララインとボタンの魔女

新しい家に引っ越してきた少女が
目がボタンである人形の世界に迷い込む話。

世界観が素晴らしく冒頭から不気味で目が離せなくなる。
何が起こるのかが予想できない演出ばかりで非常に面白い。
生理的に嫌悪感を催すような演出もあり
子供向けの作品なのか疑ってしまうところ。

脚本に関しても、話が動き始めるまでは退屈であるが、
最終的には無駄なく伏線を回収した冒険劇になっており
世界観も相まってワクワクしながら見ることができた。

しかし、魅力的な部分が多かっただけに
自己中心的でわがままな主人公には感情移入をしにくかったのは残念。
年頃の女の子を描きたかったのだろうが
発言一つ一つが鼻についてしまい素直に応援をすることができなく、
また、姿が可愛くないのもマイナスな点だった。

奇妙で不気味な世界観は一級品なので
こちらを楽しみたい人にはオススメな作品。

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バジリスク~甲賀忍法帖~<全5巻>

甲賀忍者、伊賀忍者のそれぞれ10人がお互いに殺し合う話。

どのキャラクターも斬新な特殊能力を持っており、
どういった戦いをするのかワクワクさせる。
計20人という登場人数の多さから
始めこそ整理するのに時間がかかったが、
バンバン死んでいくため混乱なく読むことができた。

5巻とコンパクトにまとまっており、
多彩な能力が描かれるバトル漫画としてオススメの作品。

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失われた過去と未来の犯罪

10分程度しか記憶できない人類の生活を描くSF小説。

突然記憶が保持できなくなったことに混乱する世界で
テキパキと解決に向けて頑張る主人公は応援したくなる。
危機感を煽らされる中、
大人たちも全力を尽くして問題を収束させようしており
まさに手に汗を握る展開が続く。

後半では、数年後の未来が舞台となり
魂がどこにあるかという哲学的なテーマが描かれる。
事件の影響により生まれた新しい生活スタイルやビジネスは
妙にリアリティがあり惹きつけられ、
その中で人間が一線を超えていく様子も面白い。

最後がモヤモヤした感じだったのは残念だったが
記憶ができない、という単純な設定だけだけで
ここまで話を膨らませられるのは素晴らしかった。

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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

ブラック会社に就職したプログラマーが
苦難を乗り越えながら成長していく話。
2ちゃんねるの投稿が原作であり、そちらは読了済み。

契約社員の女性は不自然であったが、
それ以外のキャスティングは原作の雰囲気そのままで満足。
逆境の中をへこたれずに頑張る主人公は応援したくなり、
周りの助けも相まって感情移入しながら見ることができた。
たびたび挟まれるネット民による投稿の演出も新鮮で面白い。

ただ、最後の筋書きにはどうもスッキリしなかった。
怠けていた社員が頑張って仕事を行ってもそれは当たり前であり、
プロジェクトを我慢して完走させた、ということも
ブラック会社の根本的な部分は解決していないだろう。

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ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow vol.1 サン・トロンの雷鳴

ウィッチと呼ばれる女の子たちが、空を飛び回りながら正体不明の敵と戦う話。
ストライクウィッチーズOVA三部作の一作目であり、
時系列としてはセカンドシーズンと劇場版の間となる。

現実でのズボンが存在しないという強烈な世界観が特徴で
パンツむき出しの女の子たちが縦横無尽に空を駆け回るのは面白い。
魔法力と呼ばれる力を持っていながらも、
攻撃方法は銃火器という至って現実的な設定で、逆に斬新である。

今回は兵器の開発という筋書きなのだが、
いちいち説明される兵器が奇妙ながらもカッコよく、
普段の銃火器やユニットに関しても成功と失敗を繰り返しながら
実践で使われていくという背景が分かってよかった。

動き回りながら敵を粉砕していく空中戦は爽快で
シリーズ同様の魅力的なキャラクターたちにも満足できた作品。

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Mini Metro

混雑しないように上手に駅と駅を線路で結ぶ
シミュレーションパズルゲーム。
Steamでプレイして3時間程度でノーマルモード全ステージクリア。

駅を線路で結び乗客を移動させることが目的なのだが、
電車に乗れる人数が決まっており、
それぞれの駅で待っている人が多くなるとゲームオーバーという流れ。

素材が記号と色という単純なものだが、
うまくゲームに仕上がっている。
最適になるように路線を考えるのは面白く、
熱中してプレイできた。
中盤ステージでなかなかクリアできなくなったが
YouTubeで攻略のコツを調べたら、とたんに進むようになった。

現実でも乗車率や目的地に応じて
駅と線路が作られていると考えさせられた作品。

ダウンロードはこちらから。
また、iTunesでも販売しており、そちらからでも購入できる。

ハローキティのくるみ割り人形

バレエ音楽「くるみ割り人形」を
ハローキティのキャラクターたちで表現した作品。

原作にあったストーリーが子供向けに描かれ、
そこで動くキャラクターたちは可愛らしい。
絶体絶命の中、仲間たちが助けにくるという
王道のような熱い展開には笑ってしまった。

16分とコンパクトにまとめられており、
とりあえず話を追いたい人は見てみるといい。
視聴はこちらから。

くるみ割り人形

くるみ割り人形を貰った少女が、人形の国に迷い込む話。
1979年に公開された作品を再アフレコしリメイクしたもので
原作のバレエ音楽であるくるみ割り人形とはストーリーが異なる。

人形を少しずつ動かして一コマづつ撮影しており制作の苦労が伺える。
CGアニメのように自然に動いているように見えるさまは素晴らしい。
始めはキャラクターが怖く感じてしまうものの、
慣れてしまえば問題なく見ることができた。
聞き覚えのある音楽による人形の国の不気味な雰囲気も見事で
老婆、占い師、人形使いなどの演出はゾクゾクする。

オチに関してはあっけなく感じてしまうものの
それを上回る奇妙な世界観を楽しむことができた。

リメイク版のDVDは発売されていないため視聴はこちらから。

Peter Pan<ラダーシリーズLEVEL1>

有名な童話「ピーターパン」そのもので
ネバーランドに連れていかれた子供たちの冒険劇が描かれる。
事前知識として映画を見たことがあるが、
覚えているのはキャラクター程度で、ストーリーはほぼ忘れている状態。

愉快であるピーターパンやワニが怖いフック船長など
相変わらず豊かなキャラクターたちには魅力がある。
特に、ティンカーベルは卑しい人間的な性格を持っており
妙なリアリティを感じてしまった。

海賊との闘いといった冒険はもちろんのこと、
ネバーランドから帰ってきた後の
大人にならないピーターパンと
成長をしていくウェインディの対比も楽しめた。

初めてラダーシリーズを読んだが、
レベル1であるため一文が短くサクサク読むことができた。
期待通りだった一冊。

Peter Pan ピーター・パン ラダーシリーズ
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