日常の夏休み

日常の夏休み (角川つばさ文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2014-03-03)
売り上げランキング: 14,378
 
宇宙に飛ばされた「日常」のキャラクター達が地球を救うために奮闘する小説。

登場人物が「日常」そのままであるため、原作を知っておく必要がある。
もともと短編集である原作が、
一冊の長い小説で描かれることに心配したが、
原作を思わせるテンポで書かれており満足。

普段とは違う大それたストーリーと思わせるが、
それぞれの話はまさに原作「日常」のようなもので、
どんな状況でも、想像通り面白可笑しく過ごす様子はとても楽しい。

スケールが大きいが、あくまで町の中での話で収まるため、
もし「日常」に劇場版があったらこのような感じになるのだろう、と思わせる。
原作が好きならば楽しめる作品。

ムービーゲームブック「ラヴ・チェイン」

ある男性に訪れる女性との交流を描く話。
YouTubeのリンクを使ってゲームブック風に動画を進めるというもの。
30分程度で全ての動画を見終わり。

すごい、という印象。
斬新なシステムで、脚本云々以前にそこでもう魅力がある。
YouTubeをゲームに仕上げる発想が素晴らしく、
誤った動画のリンク先を踏んだ際の、時間が巻き戻るような演出もよくできており、
動画であることの強みを感じ取れた。

こういった新しい発想のタイプの作品を出会えることは本当に幸せだ。
投稿が2011年ということだったが、もっと早く知りたかった作品。

動画はこちらから。

Helvetica Standard

Helvetica Standard (角川コミックス・エース)
KADOKAWA / 角川書店 (2012-09-01)
売り上げランキング: 14,144
 
「日常」という漫画の作者が書いたギャグ四コマの短編集。

アニメ版「日常」の原作群の一つである作品であり、
多彩なキャラのシュールな生活の人場面が描かれる。
1ページに一つのシュールな話が進み
この作者独特の画風でテンポよく描かれる。

「日常」を読んでおり、作者のファンならば後悔しないだろう作品。

ヨルモルキミリ

ある学校に転校してきた少年が
不思議な世界「ヨルモルキミリ」に迷い込むPRG。
三時間半ほどで最後まで到達。
フリーゲーム「タオルケットもう一度」の作者の作品で、
これまでの同作者の作品は事前にすべてプレイ済み。

ストーリーはこれまでのシリーズと関りがないが、
ほとんどのキャラクターが以前に登場した性格を引き継いで登場するため、
これまでの「タオルケットをもう一度」シリーズをプレイしていると、なお楽しめる。

RPGという体系をとっているが、圧倒的な文章量のため、
戦闘を画面を含んだ読み物という印象が強い。
また、かなり狂気的で独特なグラフィックのため、プレイには人を選ぶ作品。

少しずつ世界が広がっていき、
マップで行けなかった部分が行けるようになるのはワクワクする。
新しいキャラクターが登場するたびに、
これまでのシリーズをプレイしていると
「ここでこのキャラクターを使うか」と感慨深くさせる。

哲学的なセリフが多くプレイヤーが置いてけぼりにされており、
根本がほどんと理解できないのが残念。
唐突なゲームの終わり驚いたが、どうやら続きを作成中ということ。
これまでのシリーズであった、「ラストで全ての謎が明かされる」演出を期待して待とうと思う。

ダウンロードはこちらから。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~

「ご注文はうさぎですか?」シリーズの劇場作品。
ストーリーに繋がりはないが、
登場キャラクターはそのままなので、前作品を視聴しておいた方が良い。

良い意味でこれまで同様の進行を継承しており、
奇をてらった風変りな場面もなく、安心して見ていられる。
逆に言えば、山あり谷ありのどんでん返しのストーリーを期待しては、物足りないという印象。

相変わらず登場キャラクター達は可愛らしく、
素直で頑張り屋のため、見ていて微笑ましい。
一緒にいる仲間と距離が離れてしまっても、
常にその仲間のことを意識しており、またその様子にわざとらしさがなく、
「このキャラクターだったらこのような行動をするだろう」と
キャラ立ちを自然に感じられる。

ココア・チノ・リゼの三人がメインで進んでいくため、
欲を言えばもっとシャロ・千夜が活躍してほしく、ここだけは残念。

「ごちうさ」らしさが十分に感じられ、
これまでの作品が楽しめたのならば、同様に楽しめる作品。

インベスターZ<全21巻>

インベスターZ(1)
インベスターZ(1)

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コルク (2013-09-20)
 
中学で投資部に入学した主人公が、
投資について学びながら学生生活を送る話。

投資部のメンバーは学生トップの頭脳を持っており、
歴代の資産を自分たちでどうにか運用していくという舞台。
投資について無知な主人公が勉強していく様子は
読者にとってもわかりやすい説明となっており、書き方が上手い。

投資といっても株だけでなく、FXや生命保険など
幅広い分野で解説が行われていく。

投資に興味がなくても単純に読み物としても面白いし、
投資について知るいい機会になるであろう良作品。

一生使える見やすい資料のデザイン入門

一生使える見やすい資料のデザイン入門
インプレス (2016-01-22)
売り上げランキング: 35
 
マイクロソフトのPowerPointを使った資料で
より分かりやすくするための意識付けや小ネタが書かれているもの。

非常に勉強になる内容。

文字ばかりが書かれているのではなく、
修正前のスライドと修正後のスライドが比較して載せてあり、
分かりやすく真似しやすい。
一つの単元が見開き2ページで書かれており、
いちいちページを戻る事も無い親切な構成で
ストレスをためず読むことができる。

書いてあることがすべてとは限らないが、
もし業務でPowerPointを使うのであれば、
一度目を通しておくと役に立つだろう。

LISA: the Painful

北斗の拳のような世紀末の世界が舞台で、
誘拐された娘を探す、横スクロールのRPG。
ノーマルモードにて13時間ほどでクリア。
前作にLISA: the firstがあるが、そちらは未プレイ。

戦闘シーン含めてすべてドット絵で描かれているのが特徴。
優しい雰囲気ながらも、狂気的な演出も多く、
生理的な嫌悪感を覚えるシーンもあるためプレイには注意が必要。

戦闘システムが独特で、一部のキャラクターは
戦闘時にWASDのコマンドを順番に押すことにより
通常の攻撃をした後に技を放つことが出来るのは斬新。
ストーリーを進めることによりコマンドが変化し、
脚本とシステムが上手く融合している良システムだった。

が、プレイしていて不満な点も多かった。

まず登場キャラクターがとても多く、
外国の名前でなじみのないものばかりであるたて、
どのキャラクターがどの名前なのか全然一致しなかった。
序盤に出てきたであろうキャラクターが終盤に出てくることがあるが
キャラを認識できずプレイヤーが置いていかれてしまった。
また、仲間になるキャラクターも必要以上に多く、
それぞれで性格付けがないため、愛着を全く持てなかった。

ゲームの設計も不親切で、
戦闘以外でも、すぐゲームオーバーになるようなマップ構成にも関わらず
セーブポイントの数が限られており、
死んだ場合は大幅なやり直しが求められる点、
また、回復ポイントで睡眠をとろうとした場合、
バッドステータスを引き起こすイベントが発生するため
ただ回復するためにも、いちいち複数のマップを超えた宿屋に行かなければならない点など、
単にプレイヤーの工数を上げているような部分にストレスが溜まってしまった。、

ストーリーも単体では消化不良で、
タイトルのLisaが誰だったのかすらわからい。

インターネットでは高評価であるが、
私にはそこまで魅力を感じる事ができなかった。

ダウンロードはこちらから。
このLISAが「LISA: the Painful」で、有志による日本語パッチがあります。

魍魎の揺りかご<全6巻>

魍魎の揺りかご 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
スクウェア・エニックス (2014-03-27)
売り上げランキング: 17,364
 
転覆した船からの脱出を図るサバイバル・サスペンス。
船内には殺人鬼がうろついており、
その攻撃をかわしながら、船の上部を目指すというもの。

生き残るために様々なグループを作り力を合わせているのだが、
そのキャラクターに無駄がなく良い。
生きるために非情になる人間たちは
読んでいて納得してしまう。

グロテスクなシーンもあるため注意が必要だが、
テンポも悪くなく、はじめから最後まで一気に読ませる良作品。

Rotation Girl

事前に行動を設定して、敵と戦わせる放置系RPGゲーム。
4時間ほどで3つのエンディングすべてクリア。

行動をセットして敵と戦わせるのは、頭を使い斬新。
例えば「Xターン目にY行動を行う」というアルゴリズムを自分で作っていく。
ザコ敵はテンプレの行動で倒せるのだが、
ボスは行動パターンが決まっており、
その行動パターンの穴をついて、自分で倒す解法を考え成功したときは気持ちがいい。
また、レベルも早く上がっていくため、
どんどん新しい技を使用できるようになるのは楽しい。

が、ストーリーが全体的に作者独自の路線であり、
私には合わなかったのは残念。
意味深なセリフと雰囲気ばかりで、
メタ要素というよりもただ単に置いてけぼりにされているだけ。
作者の独自の主張というものがあるのかもしれないが、
それが説教じみており、私にはよく伝わらなかった。

またバグもひどく、例えばすべての敵に勝利する装備があるのだが、
ダメージ計算が上手く反映されていないようで、
全く効果を発していなかった。
戦闘も時々フリーズしてしまい、ストレスをためる原因になっていた。

メタゲームということで興味があるならば
やってみてもいいかもしれない。
ダウンロードはこちらから。