セブンスコート

あるゲーム製作者のホームページ掲示板の住人達が、
ゲームの中に飛ばされてしまう様子を描いたノベルゲーム。
三時間程で読み終わり。

インターネットの掲示板でしか交流がなかった、という設定を上手に取り入れられており、
また、異世界転生のという一発ネタで終わっている事も無く、唸らせるような上手い脚本。
お互いに顔を知らないからこその出来るエピソードであり、
インターネットの負の部分といった特徴を感じる事ができる。

主人公がゲーム製作者であり、創造に対する原動力や辛さといったものがテーマになっており、
クリエイターならば誰しもが考えること、共感できる所も多く
感情移入をしながら読み進めてしまった。

作品内でのホームページと掲示板
実際に用意されている周到ぶりで、
こちらも同時に読みながら物語を読み進めると、なお楽しめるだろう。
ゲーム内でキャラクターと出会ったり過去を語られるたびに、
再度掲示板を読み返すと色々なことが分かり面白い。
ホームページも昔よく見たような趣のあるHTMLであり、
掲示板に荒らしがいたりなど、過去を思い出させてニンマリさせるデキ。

グラフィックに特徴があるため、なかなか手を出さなかった作品ではあったが、
噂通りの面白い作品で良かった。

ダウンロードはこちらから。

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン3<全5話>

ドキュメンタルシリーズの三作目。

イマイチなデキ。
ケンドーコバヤシや春日は面白く、
番組を盛り上げようという心遣いが伝わるのであるが、
他の参加者について、前作以上に怒りの表現や暴力が目立ち、
出来上がっていた空気が壊されていたのが残念。

また、ルール上しょうがないことではあるが、
笑いから逃げている人が終盤まで残ってしまい、
見ずらいものになっていた。

敗者が再び芸をできるようになる
「ゾンビタイム」のシステムは優秀で笑いっぱなしだったが
他はそこまでの魅力は感じなかった。

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン2<全5話>

お笑い芸人が100万円を持ち寄り、笑ったらいけないゲームをする企画の第2段。
ゲームは別であるがシーズン1の流れを汲んでいるため、
前作の視聴は必須。

笑わせるために手段を択ばず、とにかく下品であるため、
前作以上に視聴者を選ぶ仕上がりになっている。
空間の濃さや、一発のネタの爆発度でいったら、
前作の方が優れていると感じた。
ただ、賞金を獲得するために芸人たちが狂気と化した最終話は
私の笑いのツボにハマっており、非常に楽しめたため良かった。

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン1<全4話>

10人のお笑い芸人が参加費100万円を持ち寄り、お互いを笑わせあうゲーム。
最後まで笑わなかったものが総1000万円を獲得するという流れ。

面白い。

年末にある「ガキの使い~」の笑ってはいけない系と同じようなコンセプトであるのだが、
あちらは面白くなくても、配慮のためか参加者が大笑いしているため
自分の感性とギャップを感じ不安になっていた。
対してこちらの番組は、お金がかかっている分、
笑わそうとするものは頭を使い真剣に笑わそうとしており、
また、他人のボケに対しても必死に笑わないようにこらえている様子も
絵になっていて本当に面白く爆笑できる。

第一話は紹介のようなもので、また参加者もギクシャクしているため面白味はないが、
回を重ねるごとにどんどんと白熱していき、
次第に、何でもありな独特の空間が作られていく。
ただ、残念だったところは参加者が退場していった終盤は
人が少ない分、カオスっぷりが収束していくため
いまいち盛り上がりに欠けた部分もあった。

まだ実験的な番組であり、安易な下ネタも連発するため
見る人を選ぶ作品ではあると感じるが、
私にとっては非常に楽しめた。

視聴はこちらから。

スピリットサークル<全6巻>

スピリットサークル (1) (ヤングキングコミックス)
少年画報社 (2014-08-23)
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転校生に命を狙われる少年がその理由を探すために、
「スピリットサークル」という道具を用いて自分の前世を追憶する話。

火の鳥のように輪廻転生がテーマであり、
ある時代に生きていた人物が別の時代や世界設定で描かれる。
その時代での出来事が別の時代に引き継がれている演出は
このテーマの醍醐味であり、魅力がある。

が、残念な点もあった。

まず、命を狙う理由が明かされるのが終盤であるため、
そこまで内容を理解できないまま物語を読み進めていかなければならず、
読むことに体力を使い、疲れてしまった。
また、その謎が明かされても理由が簡潔であり、
これまでの転生の話がはたして必要であったのか疑問に思ってしまう。

また、転生のたびに登場人物が増えるため名前を覚えきることができず、
話中でその名前が出てきても、それがどのキャラクターなのか分からないことがあったのも
読み進めにくく体力を使う原因であったと感じた。
こちらは一巻読むごとに自分の中で話を整理してから次の巻を読んでいれば、
また違った印象になったとは思う。

この作者のサイコスタッフ(無料)という短編は好きだっただけに、
少々の物足りなさを感じてしまった。

がっこうぐらし!<全12話>

がっこうぐらし!第1巻 (初回限定版) [Blu-ray]
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン (2015-09-26)
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人間がゾンビとなった世界で、学校に籠城する女子高生を描く。

いやー、ここまで凄いアニメは久々に見た。

脚本とキャラ設定、また物語の見せ方が素晴らしい。
シリアスとほのぼの部分の塩梅が超絶で
生死に直面した絶望的な舞台設定であっても
ほのぼのとしたキャラクターの設定を強引に作り、
有無を言わさず日常感に納得させてられてしまう。

また時系列が交差して描かれ、
それに伴う伏線の張り方・回収の仕方も凄まじい。
初めは小さく感じていた違和感が、
だんだんとはっきりとした歪みになっていき
最高潮のところで秘密を明かされる、非常に驚かせる脚本。

毎回のヒキも強く、また期待以上に二転三転した驚く展開が続くため
本当にワクワクしながら見ることができた。
全話を通しで見終わった後に、思わず第一話目を見てしまったほど。

本当に見れて良かったと思わせる作品。
ぜひ予備知識なしで見てほしい。

映画大好きポンポさん

映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ)
KADOKAWA / メディアファクトリー (2017-08-26)
 
映画プロデューサーの助手であった若者が、
監督として任命され映画作りに奔走する話。
webコミック時代から好きだった作品。

登場人物全員が映画に対して真剣であり、とにかく熱い。
ポンポさんのプロとしての意識や
大御所の大御所っぷり、主人公の映画に対する愛など
全てに対して親しみを持てる。
主人公達が映画を作り終わっても
結局はポンポさんの掌の上だったと考えさせる素晴らしい描き方。

序盤の勢いのままラストまで進み、ちょうど良い長さで終わる短編。
映画を見たくなる作品。オススメ。

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル [DVD]
東映ビデオ (2001-09-21)
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ある中学のクラスが無人島に監禁され、最後の一人になるまで殺し合いを強要される話。
マンガ版のみ既読。

強烈な脚本と舞台設定で有名すぎるビッグタイトル。
マンガ版が長かった記憶があるため2時間で終わるのか不安だったが、
非常にテンポよく話が進んでいき満足。

ゲームから降りる者や戦いをやめさせようと努力するものなど
クラスに様々な性格のキャラクターがおり、
それらが上手く脚本に絡んでいるのは素晴らしい。
徒党を組みながらも結局他人を信じられなくなる様子は
見ていてドキドキさせる。

グロテスクなシーンも多いため見る人を選ぶ作品であろう。
昔の映画ではあるが、キャストの演技も上手く
おおむね満足なデキ。

結城友奈は勇者である-勇者の章-<全6話>

結城友奈は勇者である-勇者の章-Blu-ray
ポニーキャニオン (2018-05-30)
売り上げランキング: 168
 
「結城友奈は勇者である」シリーズの最終章。
これまでのキャラクターがそのまま出てくるため、
「結城友奈の章」「鷲尾須美の章」の視聴は必須。

頑張ろうとするほど他人を傷つける、
このシリーズらしい残酷な展開を描くのは見事。
頼って欲しい仲間と事情により問題を抱える主人公との
すれ違いのもどかしさが上手い具合に描かれ、
見ていて非常に辛くなる。

これまで同様に「仲間を頼って皆でどうにかする」というテーマであり、
困難を乗り越えて解決に向かっていくのだが、
最後が、私にとってイマイチであった。
結局どうなったのかが全体的に説明不足であり、
何が起きており、なぜ解決したのかといったことが勢いに任され納得できない。
尺不足だったのかもしれなく、もっと丁寧に描いて欲しかったところ。

一期が面白かっただけに、少々残念だったデキだった。

結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-<全6話>

結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-Blu-ray
ポニーキャニオン (2017-12-20)
売り上げランキング: 173
 
勇者という姿に変身し正体不明の敵と戦う話。
テレビで放送した「結城友奈は勇者である」シリーズの前日譚となる。
前テレビシリーズは視聴済み。

平和な日常シーンと命がけで戦うシーンとの
描き方のギャップが上手い。
残酷で救いのない展開が続く次世代を知っているために、
本作の序盤の優しさが身に染みて感じられる。

小規模に始まった戦いがだんだんと激化していき、
「精霊システム」「満開」という次シリーズで核となる設定が
構築されていくのは見ていてワクワクする。

結城友奈は勇者である 結城友奈の章を見ておくことで
より楽しめるであろうアニメ。