最後の伝令

最後の伝令(新潮文庫)
筒井 康隆(著)
5つ星のうち4.7 5つ星のうち4.7

筒井康隆の短編集の一つ。

他の短編集よりも「死」の表現に重きを置かれている作品が多い。
相変わらずの、グロテスクな表現のオンパレードであり、
読んでいてとても興奮する。

「九死虫」という作品が、とても心に残っている。
九回死ぬ、ということが起こる場合に、どのような文明に進化するのか、
死ぬ前に何を思うのかが、その着眼点が新鮮でとても面白かった。

短編集のため、一つの話をすぐに読み終わることができ、
普段、小説を読みなれていない人でも、簡単に手を出すことができるだろう。

JUNK HEAD

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やみけん
5つ星のうち5.0 5つ星のうち5.0

奇妙な生命が文明を作る地下世界を、
ロボットとなった人間が冒険するストップモーションアニメ。

ミニチュアで作った物体を少しずつ動かし、連続して動いているように見せる技法の
ストップモーションアニメで作られていることが特徴。

機械がバラバラになる描画や、怪物に捕食されるシーンなど、細かい動作や、非常に密に作られている。
この作品を作るのに、どれだけの苦労があったのか、予想がつかない。

地下世界の住民も人間味にあふれており、冗談を言い合うものや、他人を陥れそうとするものなど、
果たして、どちらが人間だったのか、わからなくなるような感覚になる。

化け物から追いかけられたり、知的生命と協力しあったりとストーリーは平凡だったが、
それを表現する画面描写が素晴らしかった。

キャラクター

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菅田将暉(出演), Fukase(SEKAI NO OWARI)(出演), 高畑充希(出演), 中村獅童(出演), 小栗旬(出演), 永井聡(監督)
5つ星のうち4.2 5つ星のうち4.2

漫画家を志す青年が殺人現場に遭遇するところから始まる、
漫画家と殺人鬼の関係を描いたサスペンス映画。

面白い。

殺人漫画のストーリーを模倣して殺人を犯す犯人が、
何を考えているのかわからなく、本当のサイコパスを感じる。

主演の菅田将暉とセカオワのFukaseの二人の演技がとてもうまく、
どう転がっていくのかわからない脚本も含めて目が離せなかった。

リスタート!~34歳ゲームディレクターのつよくてニューゲーム~<全3巻>


1995年にゲーム会社で働いたいた男性が、2020年のタイムスリップしてゲームを作る話。

面白い。
スーパーファミコンソフトを作っていた男性が、
スマホゲームを開発していく際に、貪欲に知識を吸収する様がとても良い。
知識を見せびらかすこともなく、今の時代の常識に馴染もうとする主人公に、
嫌味が全くなく、だんだんとメンバーが主人公のことを慕っていく様子は、読んでいて楽しい。

平成から令和に変わって、労働環境の常識や社会情勢も変わっている中、
人間関係や仕事のやりかたなど、変わらないものも描かれ、暖かく感じる。

ゲーム会社はこのような感じなのかとも、勉強になった漫画だった。

見えない目撃者

見えない目撃者 [DVD]
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posted with AmaQuick at 2022.11.13
吉岡里帆(出演), 高杉真宙(出演), 大倉孝二(出演), 浅香航大(出演), 酒向芳(出演), 松大航也(出演), 森淳一(監督)
5つ星のうち3.7 5つ星のうち3.7

女子高生誘拐事件が発生した現場に、盲目の女性が居合わせるサスペンス映画。

見終わったら、放心して、立ち上がれなくなった。
これまでの人生で見た邦画の中で、一番面白かった。

盲目というハンデを負いながらも、主人公の女性が大変優秀であり、
少しずつ調査が進み、だんだんと謎を解明していく。
周りの人たちも、少しずつ協力的になっていく様子も応援したくなる。

目が見えないという状況、緊張感、雰囲気の演出方法が、とにかく素晴らしい。
見ている側の心臓も止まりそうになる。
あまりにも感情移入しすぎて、気持ちが悪く、吐きそうになるほど。

また、犯人が分かった後でも、ひたすらにドキドキする脚本であり、
どうなるのかオチが読めなかった。

一瞬も退屈しなかった。
本当に夢中になった。
おススメ。

幼年期の終り

幼年期の終り
幼年期の終り
posted with AmaQuick at 2022.11.13
アーサー C クラーク(著), 福島 正実(著), 正実, 福島(翻訳)
5つ星のうち4.4 5つ星のうち4.4

突如地球に宇宙人が到来し、地球人と交流をするSF小説。1979年に書かれたもの。

宇宙船で到来した宇宙人は、地球人とは比べ物にならない科学力を持っているものの、
よくあるSFとは違い、一切の侵略活動を行わないことが特徴。
宇宙人の出した指示により、どんどん人類全体の社会が豊かに、安全になっていく。
その描画が綿密に書かれ、実際にあったらこのようになってしまうだろうと、思ってしまう。

また、宇宙人は秘密主義を貫いており、宇宙人の正体がわかる中盤、その目的がわかる終盤と、
少しずつ情報が小出しにされていく。
そのもどかしさの塩梅もよく、どんどん続きが気になってしまう書き方。

ここまではっきりとしたSFというものを今まで読んだことがなかったが、
有名なだけあり、面白く参考になった。

内藤死屍累々滅殺デスロード<全5巻>


「内藤」という人物が作り上げた世界で、超能力に目覚めた少年少女が、化け物に立ち向かう話。

面白い。

主人公たちは、世界が創られたものであり、自分たちが特別な存在であると認識しており、
メタフィクション的に物語が進んでいく。
一連の事件に、脚本や設定が存在しており、それらをうまい具合に利用して、解決を図ろうとする。

短いながら、よくまとまっており、序盤から張り巡らされた伏線の回収の仕方は見事。

綺麗な絵と引き込まれるストーリーで、メタフィクション系の作風が好きならば、おすすめできる作品。

ONE PIECE FILM RED

ONE PIECE FILM Z Blu-ray
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posted with AmaQuick at 2023.01.05
田中真弓(出演), 中井和哉(出演), 岡村明美(出演), 山口勝平(出演), 平田広明(出演), 大谷育江(出演), 山口由里子(出演), 矢尾一樹(出演), チョー(出演), 大塚芳忠(出演), 長峯達也(監督)
5つ星のうち4.4 5つ星のうち4.4

ワンピースの劇場版アニメ。
世界的人気歌手のコンサートに参加した主人公が、世界を揺るがす事件にに巻き込まれる話。
時系列としては、ホールケーキアイランドで、ビックマムから逃れた後の話。

面白い。

メインテーマが「歌」であり、劇中歌がどれもよく、
その歌に相まってのダンスシーンの描画も迫力がある。

これまでに登場した、数々の登場人物が出てきており、
敵味方関係なく、状況を打破するために協力しあうシーンは、とても盛り上がる。

これまであまり登場してこなかった、赤髪のシャンクスも描かれ、
彼らが戦っているシーンもワクワクする。

ルフィの考えなしの行動・自分勝手さにはイライラするが、
ストーリーは丁寧に伏線が描かれ、盛り上がるところはきっちり盛り上がる、
アニメ映画のお手本のような作品。


ノーブルウィッチーズ 第506統合戦闘航空団<全3巻>

ノーブルウィッチーズ 第506統合戦闘航空団(1) (角川コミックス・エース)
槌居(著), 島田フミカネ&Projekt World Witches(その他), 南房 秀久(その他)
5つ星のうち4.6 5つ星のうち4.6

ストライクウィッチーズシリーズの漫画であり、
501によるガリア解放後に結成された、506統合戦闘航空団の出来事を描く。

面白い。

これまでのシリーズに比べ、政治的抗争や国の思想による陰謀が色濃く描かれる。
敵のせん滅という人類の共通目標があるにも関わらず、
内輪もめで、部隊が思ったように動けない様子は、まさに軍隊の組織という感じ。

アニメ版のように、ただ単に敵をやっつけて終わり、といううわけでなく、
残された人類にも、利権をめぐり様々な思惑がある様子は、見ていて面白い。

各隊長が、部隊を守るために奮闘する様子もよく描かれており、
何とかうまくいってほしいと感情移入してしまう。

アニメ版では描かれないテーマを見たい人は読んでほしい作品。


ストライクウィッチーズ オーロラの魔女<全2巻>

ストライクウィッチーズ オーロラの魔女(1) (角川コミックス・エース)
京極 しん(著), 島田フミカネ&Projekt Kagonish(その他)
5つ星のうち4.6 5つ星のうち4.6

ストライクウィッチーズシリーズの漫画であり、エイラと二パを主人公に当てたもの。
時系列としては、501ができる前の話である。

全体的にイマイチ。

絵から、あまり躍動感を感じられず、引き込まれなかった。
ギャグの部分も、わざとらしく、自分の感性に合わなかった。
登場人物が、全員エース級のはずなのだが、各隊員のすごさもよくわからないまま終わってしまった。

ただ、これまでと違い、陸戦ウィッチが登場したのは、新鮮で良かった。