母という呪縛 娘という牢獄

「滋賀医科大学生母親殺害事件」という実際に2018年に発生した事件で、
加害者が、なぜ殺人事件を行ったかの記録をまとめたもの。
ノンフィクションの作品。

実母をバラバラにして殺害した事件であるが、
加害者の女性が、幼いころから教育虐待をされてる様子が、
当時のやり取りや関係者の取材を通じて描かれ、
非常に境遇が悲惨であることがわかり、同情してしまう。

Lineの文体や取材の様子で、加害者が知的であることも垣間見えるのだが、
そういった方であっても、
事件を起こしてしまう状況や家庭環境が怖く感じた。

親の度が過ぎる教育は、その子供を不幸にするだけだと、
改めて考えさせられたものだった。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

吃音症を持っている女子高生が、周囲と馴染めずぶつかっていく話。

本人は必死にもかかわらず、周りから理解されない様子は
読んでいて非常に心がつらくなる。
少しずつ打ち解けていっても、
もともとの本人のコミュニケーションが慣れていないがゆえに、
相手を傷つけてしまう様子もわかる。

最終的には救いがあり、読後感も良かった。

いろいろな人に読んでほしいと思う漫画。
おススメ。

マンガでわかる株のキホン お嬢様 投資をはじめる!<全3巻>

投資をしたことのない女性に対して、
証券会社に勤務する高校の同級生が、
あの手この手で金融商品を買わせようとする話。

めちゃくちゃ面白い。

どうにかして会社の利益を出すために、
ろくでもない金融商品を、
ずる賢く説明する様子がとても面白く、いちいち大笑いしてしまう。

それぞれの金融商品が、資本主義の理念に乗っ取っている中で、
どういったカラクリで、証券会社が成り立っているかも非常に勉強になった。

ある程度の投資の勉強をしており、
それぞれの金融商品の特性がわかっている人は、
とてもオススメできる作品。

劇場版 名探偵コナン 戦慄の楽譜

劇場版 名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア) [DVD]
高山みなみ(出演), 山崎和佳奈(出演), 神谷明(出演), 山口勝平(出演), 山本泰一郎(監督), 青山剛昌(原名)
5つ星のうち4.6
¥2,080 (中古品)

劇場版 名探偵コナンのシリーズの一つ。
音楽関係者の連続殺人事件が発生している中で、
コナン達がコンサートに呼ばれ、謎を解いていく話。

全体的に、ギミックに「音」が取り入れられており、
他ではあまり見なく斬新で良い。

蘭や少年探偵団たちよりも、
本作のサブキャラクターのヒロインが魅力的に描かれており、
だんだん頼りになる存在としてなっていくのはワクワクした。

これまで見たコナン映画だと、まずまずの良作だった。

ヒナのままじゃだめですか?<全3巻>

生理が訪れた女子小学生が、周囲との接し方に苦労をしていく話。

面白い。

非常に繊細なテーマなのだが、面白おかしく描かれており、
嫌な気持ちにならずに読むことができる。

女の子同士でもデリケートな問題のため、
誰にも相談できなく、一人で傷ついていく様子は見ていて苦しく、
また、良かれと思った周囲の行動が、
逆に本人を苦しめてしまうことも、
現実でもありそうだと、納得感がある。

「女の子」と「女性」という年代の狭間で、
性に対しての苦労を、
わかりやすいストーリーで描かれている良い漫画だった。

カムイのうた

女学生が学校に行くようになった大正時代に、
アイヌ出身の女性が差別を受けながら生きていく話。
実話を元にした映画。

能力が優れているものの、
アイヌ部落出身というだけで、ひたすらに差別で苦労をする場面が描かれる。
最後まで淡々と暗く辛いシーンが続き、
見返りがあるような大きな救いもなく終わった印象。

当時のアイヌ迫害の風潮を知ることのできため、
勉強になるが、見終わるまでに元気が必要な作品。

劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵

劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵 スタンダードエディション [Blu-ray]
高山みなみ(出演), 山崎和佳奈(出演), 小山力也(出演), 柴咲コウ(出演), 茶風林(出演), 緒方賢一(出演), 岩居由希子(出演), 高木渉(出演), 静野孔文(監督)
5つ星のうち4.6
¥8,800 (コレクター商品)

劇場版コナンのシリーズの一つ。
イージス艦の公開訓練に参加したコナンが事件に巻き込まれるもの。

面白い。

序盤からドキドキする展開が続き、
一瞬も退屈しなかった。
ミステリー要素が強く、伏線もよく練られており、満足のいくものだった。
現実世界で起こりそうな題材なのも説得力がある。
何が起こっているのかが、理解しやすい演出になっているのも良い。

コナン達がイージス艦という密室にいるなかで、
いろいろなキャラクターが力を合わせて事件解決に向かうのも応援したくなった。

ラストも感動できて、これまでに見たコナン映画の中でもトップクラスのデキだった。
おすすめ。

ダンゲロス1969

ダンゲロス1969
ダンゲロス1969
posted with AmaQuick at 2024.04.07
架神 恭介(著), 武富 健治(イラスト)
5つ星のうち4.6
¥1,000

異能力で戦う物語「戦闘破壊学園ダンゲロス」シリーズの一つ。
時系列としては、「戦闘破壊学園ダンゲロス」よりも前で、
敵役であるユキミが主人公を務める。

非常に面白い。

昭和の学生運動である、「東京大学安田講堂事件」をモデルにした話であり、
世論操作、学校への立てこもり、学生と警察との武力衝突、スパイなどの暗躍など、
良くも悪くも、昭和的な混沌とした雰囲気が漂う。

前作同様に、世界観やキャラクター性の創りこみがすさまじく、
よくこんな話を描けるものだと感嘆する。
現実であった事件に、
常識の通じない異能力者たちが活躍する様子が描かるのだが、
ギリギリ物語として成立する範囲で描かれるのが素晴らしい。

学生・警察共に、すべての能力者が破天荒であり、
全体的に下品であるため、好き嫌いが非常に分かれる作品。
一般的な物語の世界観では味わえない衝撃を知りたい方へ、非常におすすめ。

まずは「戦闘破壊学園ダンゲロス」を読み、
その雰囲気が大丈夫ならば、こちらも楽しめるだろう。
本作も物語の途中までコミック化されているため、
興味があれば、そちらから読むと良い。

ソウル・フラワー・トレイン

ソウル・フラワー・トレイン (BEAM COMIX)
ロビン西(著)
5つ星のうち4.2
¥11,238 (コレクター商品)

私が狂信的に好きな漫画家である、ロビン西の描いた短編集。

6つの短編集で構成されている。
4つの短編はイマイチなのだが、
「MONKEY」「ソウル・フラワー・トレイン」の二つの短編はとんでもなく面白く、
それだけで大満足のデキ。

序盤からは全く予想のつかない展開に流れていくのが見事で、
そこまでのスピード感も素晴らしい。
「花電車」という特別なストリッパーを焦点にしているが、
ロビン西の独特の絵柄も良くマッチしており、
人情味のあふれる感動する話になっている。

読めて良かったと心から思える作品。
kindleでは販売していないため、中古本を書籍で購入したが満足だった。

思考は現実化する

人生の成功者となるため意識すべき「思考」を描いた自己啓発本。

序盤は宣伝のような話が進み、本書の意義に不安になるのだが、
第一章からは内容のある話になるため安心した。

長い本であるため、それぞれのテーマで、短い章に分かれているため、
少しずつ読み進めることができる。

心の力の強さに関して、嫌というほどわかっているつもりであり、
それによる霊的な事象も身に覚えがあるため、
より強い説得力を感じ、うなずきながら読んでしまう。

挑戦的な内容で、文章がエネルギーに満ちており、
妥当性や内容も理解できるため、
数多くの自己啓発本の中でも、特に意味のある本だったと感じる。
時間が経過したらまた読みたい。