超動力蒙古大襲来と同じ作者の一話完結型の短編集。
狂気で斬新な設定の短編が続く。
漫画のメタに挑戦したエピソードがあり、そちらは見ごたえがあり良かったのだが、
なんとも気色が悪く全体的に下品であり、残念ながら私には合わなかった。
好き嫌いの分かれるであろう作品。
超動力蒙古大襲来<全1巻>
面白い。
世界観や設定のふくらまし方が上手であり、架空の生き物を引き金にして、
大航海時代や産業革命、第一次世界大戦など、実際にあった歴史が語られていく。
生き物の設定だけを見ればシュールで笑ってしまうのだが、
それを様々な思惑の中で、上手に新技術を開発して活用していくのは
史実が背景にあることもあって、妙な説得力が生まれてる。
新しい生命体というアイデアだけで、ここまで話を広げられるのは見事だが、
狂気的な演出もあるため、見る人は選ぶかもしれない。
ウルトラヘヴン<1巻~3巻>
売り上げランキング: 13,138
これはすごい。
納得をさせられる独自の社会が描かれる。
贅沢なアイデアと狂気的な演出が素晴らしい。
圧倒的な表現方法であり、何が正解なのかわからなくなり、
読んでいる自分がドラッグをやっていると錯覚させられる演出。
このような新しい表現方法を知れるのは幸せである。
生涯忘れられないであろう衝撃を受けた。
読めてよかったと心から思わせる作品。
金田一少年の事件簿caseシリーズ<全10巻>
講談社
売り上げランキング: 299,350
実質的に続きの28巻以降の立ち位置であり、
これまでのキャラクターがそのまま登場するため、
前シリーズを読んでおくと良い。
ここから1つの事件が1~2巻でまとめられており
長編のものはトリックも複雑になっていて読み応えがある。
前作と同様、どこかで生きそうな舞台設定や演出が解答編で一気に伏線回収され、
気持ちのいいカタルシスを味わうことが出来た。
前シリーズが楽しめたならぜひ。
金田一少年の事件簿<全27巻>
講談社
売り上げランキング: 241,431
推理マンガの金字塔というべき作品。
主人公や登場人物が時折サイコパスである印象は受けるが、
無理がある話も少なく、鮮やかなトリックを楽しめた。
解答編に行く前になんとなく自分でトリックが分かりそうな
ギリギリの難関度の描き方も上手くて良い。
登場人物が複数人おり、
また文字も多く読むのに体力は使うため
何回かに分けて少しづつ読む作品。
バクマン。<全20巻>
売り上げランキング: 10,035
週刊少年ジャンプに載りアニメ化することを夢見て、漫画を描く話。
面白い。
ジャンプ漫画について詳しく解説されており、
どのような手順で掲載や打ち切り、編集との打ち合わせがあるのかが勉強になる。
中にはジャンプシステムを批判するような過激な内容もあり
良くこれを載せることにOKがでたと思うほど。
周りの人も悪い人がいなく、
マンガ仲間たちとライバルとなってお互いに助け合いながら
困難を乗り越えていくのは読んでいて気持ちがいい。
特に新妻エイジと福田はどのシーンでもカッコよく、見ている人を惚れさせる。
バトル漫画ではないものの、上手に友情・努力・勝利を表している。
また、作品内で様々な漫画が登場するのだが、
よくできた設定やアイデアが飛び出し、どれも面白そうに魅せるのはすごい。
特に「CROW」は時折出てくるコマやページだけでも
キャラやセリフ回し、絵のスピード感に魅せられ、読みたくなった。
文字が多く、読み切ることに時間がかかるが、
段々とのし上がっていく様は読んでスカッとし、
続きを気になる描き方のため、案外簡単に読み切れるだろう。
マンガの表現方法に参考になる設定も多く、
誰にでも勧められる傑作。
専門学校JK<全2巻>
売り上げランキング: 22
実在する「代々木アニメーション」を舞台にあるあるが話され、
可愛い絵柄だが、内容がブラックでどこかトゲトゲしい。
代々木アニメーションが発行の許可を出しているということだが、
ここまでなんでも書いているのは驚いてしまう。
簡単な決意だけで専門学校に入り、
グータラでだらけている生徒たちが足を引っ張る様子、
自分の実力や将来の進路とのギャップなどの描き方はリアル。
専門学校に興味のある人は是非読んでみてほしい作品。
働かざる者たち
グータラしている社員たちと主人公との関わりを描いているのだが、
職場でこのように働かない人の存在が、自分には信じられなく、
あくまでフィクションとして楽しむもの。
ストーリーは面白く、劣悪な職場環境での主人公の頑張りや諦めには感情移入してしまうし
働かない人の中でも何かしらの信条を持っているところがあり、
なぜかどこかしらカッコいい。
このような社員になることはないと思うが、
社会人の若いうちに読んでおいて良かったと思う作品。
銀河の死なない子供たちへ<全2巻>
売り上げランキング: 984
不死であるがゆえに一般的な人間と時間感覚が違く、
その魅せ方が上手い。
言葉ではなく、コマの雰囲気で時間が大きく変化していることを知らせるのは
読んでいてワクワクする。
中盤から人間の女の子を育てる話となるのだが、
異なる生命でありながらも愛情をもって接する様子は
感情移入してしまう、
キャラクターも生き生きとしていて
全体的に雰囲気が良く温かい作品。
映画大好きポンポさん2
前作の「映画大好きポンポさん」の続編であり、キャラクターはそのまま引き継がれるので、
事前に前作を読んでおく必要がある。
相変わらず面白かった。
登場人物の映画にかける情熱が素晴らしく、
全員が映画が大好きなことが伝わってくる。
ドラマもわかりやすく、逆境の主人公を応援してしまう。
前作が綺麗に終わったので続編が不安だったが、
そんな不安を吹き飛ばすデキ。
創作の楽しさが身に感じられる作品。
こういった漫画に出会えることは本当に幸せなことだ。