」カテゴリーアーカイブ

パウロ・コエーリョ 賢人の視点

パウロ・コエーリョ 賢人の視点
パウロ・コエーリョ(著), 飯島 英治(翻訳)
5つ星のうち4.3
¥1,485

私が好きな作家である、パウロ・コエーリョが書いたもの。
1分程度で読める短編が、85つ程度まとめられている。

筆者が経験したことや空想したことに対して、どう思ったということが、淡々と描かれているのだが、
わざわざこのような表現にしなくても、伝える手段はあると感じた。
途中、作者の鼻につくような行動に、少し煩わしくなった。

ただ、もちろん、ためになる話も複数あった。
「祈りの言葉」として、迷い、決断、行動、夢見ること、熱意、命があること。
内なる情熱を受け入れること、ひたすら祈りを続けること。
壁を乗り越えることに、愛、死、力、時間の4つが必要であること。
これらは、他の筆者の作品ともつながる話であり、とても納得できた。

興味がある方は、まずは、長編である「アルケミスト」「星の巡礼」を読んでほしい。

なぜか感じがいい人の かわいい言い方

さまざまな会話文を別の言葉に置き換えて、
言葉を柔らかくするメソッド集。

全体的にイマイチ。

ある言葉に対して、別の言い回しを提案していく、ということが書かれていくのだが、
中には、ただ単に初めの言葉が、礼儀知らずな口調だったり、
謙譲語に直しただけのような、まったく学びにならないものもあったりする。

また、「苦手なのでやめておきます」が「得意ではありませんが、やってみたいです」に
置き換えれているなど、そもそも言い換えになっておらず、
意味が180度変わってしまっているものも、数多くある。

それぞれの解説も薄く、都合の良いように解釈をされている文章であり、
不必要に作者の自分語りも挿入されるなどして、
最後には、作者に嫌悪感すら感じてしまう感覚を持ってしまった。

ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部: 舞台脚本 愛蔵版

ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部: 舞台脚本 愛蔵版
Rowling, J.K.(著), Thorne, Jack(著), Tiffany, John(著)
5つ星のうち4.3
¥1,200

ハリーポッターシリーズの続編。
舞台として公演されたものの脚本。

ハリーポッターシリーズの続きであり、
これまでの登場人物たちが親世代として描かれているのが特徴。
主人公は、ハリーの子供とドラコの子供の二人となる。

舞台脚本ということであり、ほとんど会話文で構成されている。
地の文がほとんどないが、それでも状況がイメージできるのが良い。

それぞれの子供たちの考え方や感性を通じて、
親たちの愛情深さといったものがイメージできる。

特に、ドラコの息子であるスコーピウスの性格がとてもよく、
原作の青年時代のドラコを知っているだけあって、読んでいてとても感慨深くなる。
ただ、ハリーは相変わらず、自己中心的な考え方を持っているため、
その行動に、いちいちイライラしてしまった。

もし機会があれば、舞台も見てみたいと思う作品。

小説 仮面ライダーW ~Zを継ぐ者~

仮面ライダーWのノベライズ作品。
時系列としてはテレビ版の32話と33話の間の話。

依頼人が探偵事務所に来て、捜査を進めていたところ怪事件に遭遇し、
主人公たちが推理をして、真犯人を仮面ライダーとなって倒す、という
おなじみの仮面ライダーWの流れが、そのままの小説となっている。

基本的には主人公が二人組であるが、
今回の作品では、特に片方の人物に色濃く焦点を当てているのが特徴。
普段の頭脳担当のほうが、いろいろと足を動かして、
捜査を進めていくのは、新鮮で面白い。

ただ、テレビ版でもありそうな脚本だったため、
せっかくのノベライズ版であるならば、例えば、小説ならではのトリックなどを入れて、
読者をだますような演出があれば、さらに良かったと感じた。

鬼の御伽 (IIV) 

鬼の御伽 (IIV)
鬼の御伽 (IIV)
posted with AmaQuick at 2023.01.15
板倉 俊之(著), 浅田 弘幸(著)
5つ星のうち4.5 5つ星のうち4.5

お笑い芸人インパルスの板倉が書いた小説。
「桃太郎」「泣いた赤鬼」の童話をベースとした2編の物語を、板倉独自でアレンジしたもの。

面白い。

誰もが知っているおとぎ話を、人間の傲慢さをテーマとして再編しており、
異なる切り口で、ストーリーが進んでいくのが面白い。
起承転結もうまく、ベースはあるものの予想できない展開になっていくため、良い意味で期待を裏切ってくれる。
ただ、「泣いた赤鬼」のほうは、もともとの童話のストーリーがほとんど消えており、
肩透かしなところがあったのは、少々残念だったところ。

ラノベのようにサクサク読める文体であるため、
普段活字を読まない人でも、簡単に読むことができるだろう。
インパルスに興味のある方はぜひ。

大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる


日本語の、さまざまな言葉の言い換えを紹介したもの。

読んで、とてもためになった。

「普段から使う言葉」「ビジネスで使う言葉」など区分分けされており、読みやすい。
特に最後の「季節の言葉」は、読み物としても面白く、
日本語の奥ゆさしさを感じることができた。

同じ意味でも、さまざまな表現方法、いろいろな言い換えがあり、
確かに言われてみればそうだというところを、ハッとしてしまった。

一回読んで、身につけられることはないが、
意識しなければ気付かないところでもあり、
今後、少しずつ身につけていきたい。

新装版 殺戮にいたる病

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子武丸(著)
5つ星のうち4.2 5つ星のうち4.2

女性を次々と殺害する犯人と、その周りの人物を描く小説。

同じ話を、「犯人視点」「母親視点」「探偵視点」の3つの視点で話が進んでいく。
そのため、一番初めから、犯人が誰なのかがわかるのが特徴。

小説のトリックが優秀であり、ある意味、ミステリー小説とも称することができるだろう。
同じ話を別の視点で描いてく手法に、最後まで読み終わった後、
このような小説の書き方もあるのかと唸らされた。

面白かった。

最後の伝令

最後の伝令(新潮文庫)
筒井 康隆(著)
5つ星のうち4.7 5つ星のうち4.7

筒井康隆の短編集の一つ。

他の短編集よりも「死」の表現に重きを置かれている作品が多い。
相変わらずの、グロテスクな表現のオンパレードであり、
読んでいてとても興奮する。

「九死虫」という作品が、とても心に残っている。
九回死ぬ、ということが起こる場合に、どのような文明に進化するのか、
死ぬ前に何を思うのかが、その着眼点が新鮮でとても面白かった。

短編集のため、一つの話をすぐに読み終わることができ、
普段、小説を読みなれていない人でも、簡単に手を出すことができるだろう。

幼年期の終り

幼年期の終り
幼年期の終り
posted with AmaQuick at 2022.11.13
アーサー C クラーク(著), 福島 正実(著), 正実, 福島(翻訳)
5つ星のうち4.4 5つ星のうち4.4

突如地球に宇宙人が到来し、地球人と交流をするSF小説。1979年に書かれたもの。

宇宙船で到来した宇宙人は、地球人とは比べ物にならない科学力を持っているものの、
よくあるSFとは違い、一切の侵略活動を行わないことが特徴。
宇宙人の出した指示により、どんどん人類全体の社会が豊かに、安全になっていく。
その描画が綿密に書かれ、実際にあったらこのようになってしまうだろうと、思ってしまう。

また、宇宙人は秘密主義を貫いており、宇宙人の正体がわかる中盤、その目的がわかる終盤と、
少しずつ情報が小出しにされていく。
そのもどかしさの塩梅もよく、どんどん続きが気になってしまう書き方。

ここまではっきりとしたSFというものを今まで読んだことがなかったが、
有名なだけあり、面白く参考になった。

スウガクって、なんの役に立ちますか?:ヘタな字も方向オンチもなおる!数学は最強の問題解決ツール

実生活で発生する問題に対して、数学の面から解決方法をアプローチする本。

これまでに学校で学んだ数学の知識が、
実生活において、このように生かせるのかと感心してしまった。

実際の語れる知識は大学レベルの数学であるのだが、
問題の例が身近でありイメージしやすいものと、非常に柔らかい文体のため、
理解できなくても雰囲気でなんとなくわかり、中学生程度でも読み進めることができる内容である。

知識を詰め込むための実用書というものではなく、
あくまで、雑学として数学の面白さを知るための読み物。