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飛行迷宮学園ダンゲロス 『蠍座の名探偵』 (講談社BOX)

超能力を扱う世界観の中で、
仲間を殺した犯人を探すため、他校の生徒たちが主人公の高校に乗り込んでくる物語。
私が大好きなダンゲロスシリーズの小説の一つ。
漫画版は読了済み。

相変わらずのダンゲロスの世界観という印象。
主人公側に能力者がいないことに対して、
癖のある能力者たちが蹂躙していく様は絶望するし、見ごたえがある。
他の作品ではまず見ることのない斬新な能力者のバトルも楽しめる。

一応ジャンルとしては推理小説を掲げているが、
そもそも「なんでもあり」の世界観のため、
謎解きの爽快感というよりは「ああ、そうだったのね」という程度に落ち着く印象。

まずはシリーズ一作目『戦闘破壊学園ダンゲロス』を読んでその世界観に触れ、
奇想天外なバトルの魅力に惚れ込んだら、続けてこちらを読むと良いだろう。。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
ビル・パーキンス(著), 児島 修(翻訳)
5つ星のうち4.4
¥1,683

お金の「貯め方」ではなく「使い方」に焦点を当てた啓発書。

「死んだらお金は使えない」という前提のもと、
どのような意識を持ってお金を使っていくべきかが詳細に書かれている。

著者は、残りの時間・健康・お金のバランスが重要であり、
その年齢や健康状態でなければ使えないお金については、
積極的に使うべきだと説く。
この理論はまさにその通りだと思うし、大いに参考になった。

これまでは投資などで収入を増やすことばかり意識していたが、
残りの寿命を意識しながら、どのタイミングで何を行いたいのかを
考えるきっかけを与えてくれる本だった。

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

人の性格を「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の三種類に分け、
それぞれの思考と行動を成功事例をともに解説した本。

面白い。

一見、他人の利益を奪っていくテイカーが成功すると思いきや、
最終的には、利益を顧みずに様々な人を助けるギバーこそが成功する、
ということを、膨大な事例を共に書かれている。
また、大成しないギバーの特徴も解説されており、
ただ単に与えればよいだけではないのが面白い。

アメリカの本のため、事例がすべて海外の人々だが、
日本でも同じような人々はおり、世界共通の特徴であることがうかがえる。
身の回りの人に当てはめて読み進めることで、
「確かにそういったことはある」と感じることもしばしばだった。

何事においても他者志向が重要であることを
改めて再確認できて満足の内容。
ただ、こういった本を読む人は、
元来ギバーよりの思考を持っている人が多そうであるというジレンマがある。

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

参画プロジェクトで数多くのトラブル対応を行った筆者が、
火消しの際に気を付けることを具体的に記載した本。

とてもわかりやすい。

「プロジェクトを回すための普段からの方法」という内容ではなく、
「問題が発生した後にどのようにリーダーが立ち振る舞うか」という後手のことが、
具合的に書かれているのが特徴。
まさにあるあるな内容ばかりだった。

こういった本にありがちな、あるべき理想像ではなく、
現実的な手法がポイントで記載されるのがとても良い。

プロジェクトが炎上気味になった場合に、対応手引書として非常に有用な内容。
何かあるたびに繰り返し読んで、
考えにブレがないかを自分に落とし込みたいと思った。

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント[第2版]

桃太郎やシンデレラといった誰でも知っている童話を、
プロジェクトマネジメントの考え方を用いて物語を改正し、解説する話。
第1版も読了済み。

面白い。

誰でも知っている物語を、
プロジェクトマネジメントの考え方にこじつけて解説していく様子に、
思わず笑ってしまう。
確かにそういわれてみればそうだな、と唸らせる内容。

何かを勉強するためにこの本を読む、ということでは期待外れになってしまうだろうが、
プロジェクトマネジメントを題材にした読み物、として優秀な本。

注意点として、第1版とほとんど内容が変わらなかっため、
第二版を新しく購入し直す必要はなかった。

モモ (岩波少年文庫)

モモ (岩波少年文庫)
モモ (岩波少年文庫)
posted with AmaQuick at 2025.06.22
ミヒャエル・エンデ(著), 大島 かおり(著)
5つ星のうち4.5
¥880

お話を聞くことが得意な女の子と、
人々から生活ゆとりの時間を搾取する「灰色の男たち」との関わりを描く話。

ゆとりのある生活をしている人々たちが、
「灰色の男たち」が暗躍によって、
だんだんと心に余裕のなくなっていく様子が、読んでいてとても怖い。
主人公だけが取り残されて、感情移入しやすいストーリである。
中盤からは女の子の冒険小説になり、
超常的な存在との会話やマイペースな亀との掛け合いがワクワクする。

「仕事で成功をするために時間を倹約して、人間らしさ失うような生き方」を
否定している作品であり、
まさに今の時代の人々の生き方に警鐘を鳴らしているものだった。
これが1973年に発刊されたと知って驚いた。

キン肉マン 悪魔超人熱海旅行殺人事件

キン肉マンの推理小説の第二弾。
前作同様に、特殊能力を自在に使う超人たちの殺人事件を、
ミートが解決していく話。

相変わらず面白い。

規格外の能力により、
普通の推理小説とはあり得ないような
とんでもないトリックを味わえるのが特徴。
相変わらずの発想に脱帽させられる。

キン肉マン本編で登場するちょっとした設定も、
本書でうまく活用されたりしており、
作者のキン肉マンへの愛も感じる作品。

キン肉マンを知っており、
破天荒な物語を楽しみたい人に前作同様強くオススメできる。

キン肉マン 四次元殺法殺人事件

「キン肉マン」の推理小説であり、
行方不明になったキン肉マンをミートが捜索する途中で、
様々な殺人事件に巻き込まれる話。

とても面白い。

キン肉マンの世界観のため、
キン肉マンを知っているとさらに楽しめるが、
知らなくても「そういうものなのか」と納得できるような内容。

様々な特殊能力をもった超人たちで発生する殺人事件のため
内容がハチャメチャになるのがとても面白い。
分身したり、お互いの位置を入れ替えたりなど、
何でもありの世界観の中で、
何とか推理小説の体裁を保とうとするものが斬新。

キン肉マンを知っていなくても、
奇想天外なストーリーに興味があれば読んでみるとよいだろう。

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)
レイチェル・カーソン(著), 上遠恵子(翻訳)
5つ星のうち4.4
¥584

「沈黙の春」の著者レイチェルカーソンの本で、
子どもが持っている自然界の神秘への興味を重要性を説いたもの。

レイチェルカーソンが書いた部分は、全体の三分の一ほどであり、
残りは専門家による感想・解説で構成されているため注意が必要。

レイチェルカーソンの記載の部分は、
優しい文体で大事なものを思い出させるようなメッセージ性が溢れていて良いのだが、
それ以降の専門家による部分が蛇足。
私にはこんな知識がある、すごいでしょ、と言わんばかりの内容であり、
鼻についてイライラしてしまった。

質の高い著書が編纂により価値を失わせた例。残念。

かくれた「わたし」を見つける! 【ハピかわ】心理テストBook

かくれた「わたし」を見つける! 【ハピかわ】心理テストBook (池田書店)
はぴふるガール編集部(編集), こまた しいな(その他)
5つ星のうち4.1
¥950

私が非常に面白いと感じた「自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール」のシリーズの一つで、
心理テストを通じて自分の深層心理を理解しようとする女の子の話。

心理テストの問題と結果の組み合わせには根拠を感じないが、
色々な結果の人のタイプをうまくカテゴライズし、
文章として表現するところは、モノづくりとして参考になり有益。

心理テストの解説の後に、
日常から気を付けることを具体的な方法で書かれており、
ターゲット層(女子小学生)の意識改善には有用だろう。
心理テストという手を出しやすい取っ掛かりを使い、
本書の意義を達成させるというビジョンの伝え方も勉強になった。