投稿者「fsato」のアーカイブ

【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!

フランスの経済学者であるピケティが書いた「21世紀の資本」に描かれた、
それぞれのグラフ図の解説をする本。

様々なグラフが紹介され、内容の理解が追い付かなかったが、
最終的に言いたいことは書籍後半の20%にまとめられている。

富を持っているものが資産を稼ぐスピード(r)と、
労働として資産を稼ぐスピード(g)の比較をすると、
これまでの歴史を踏まえて、
「r > g」という不等式の通り、gはrを超えることができないため、
経済の格差は広がる、ということを理解できた。

資本主義の原則を、データによって裏付けされ、
資本を作ることの重要性を再認識できる本。

星の王子さま

星の王子さま
星の王子さま
posted with AmaQuick at 2024.06.23
サン=テグジュペリ(著), 浅岡 夢二(翻訳)
5つ星のうち4.3
¥165

砂漠に不時着したパイロットが、他の星から来た少年と交流する話。

序盤は「不思議な国のアリス」を思わせるような、
会話のかみ合わせが発生しないシーンが続き、
読者が置いていかれて、退屈で不安になる内容。

中盤からの、王子の星巡りの旅の話が始まるところから
ようやく物語となり、それぞれの話もテンポよく進んでいくため安心した。

ただ、スピリチュアルや自己啓発という内容を伝えたい本なのだが、
それぞれが薄っぺらく感じてしまい、
期待していたほどの内容ではなかった。

短編にこだわらず、このジャンルの物語を知りたいのならば、
「アルケミスト 夢を旅した少年」もお勧めする。

東京貧困女子。―彼女たちはなぜ躓いたのか

東京に住む貧困層となる女性たちを取材し、
彼女たちが、どのような経緯で貧困に至ったのか、どのように生活をしているのかを説明した本。

もともとの家庭環境で貧困が遺伝したケースももちろん、
日常的に普通だったところ、離婚や病気などで、いきなり生活が変わった事象などが
次々と説明をさせる。

決して高望みをするためでなく、
生きるために、普通の学生生活を送るために、しょうがなく風俗などを選択するしかない
状況に陥っていることがわかる。

陥る原因が決して珍しいことではなく
一度貧困層となると、そこから戻ることがとてつもなく難しいことが、
実体験ベースで説明されるため、非常に怖くなる内容。

人生がもう詰んで救いがなく、絶望の淵にいる女性の話だけの内容となるため、
読むことには覚悟が必要のため注意。
知らなかった世界を知ることができる本。

本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式

作者が取材をもとに、貧困がどういった影響があるかを説明する本。

ターゲットを高校生程度にしている本であり、
わかりやすい文体で書かれて手に取りやすい。
数字を使った表現や、作者の取材を通した説明で内容に説得力がある。

国レベルでの貧困だけでなく、
日本国内での貧困についても書かれており、
これまでに意識していなかった問題を知ることができる。

貧困層がどのように生活をしなければならないのかが説明され、
正しい教育がなされていないため、そこから抜け出すことが難しく、
さらに次の世代の貧困へと連鎖していくことが理解できた。

貧困状態にいるからこそ、犯罪に手を染めなければならない経緯が、
確かに納得できるものであった。

普段考えない事柄を意識でき、新しい価値観に触れるきっかけとなる本だった。

グノーシア

宇宙船に紛れ込んだ敵を、毎日投票で1人ずつ追放していく人狼風のゲーム。
15時間ほどで全実績解除。

面白い。

長くても1プレイが15分ほどであり、ダラダラと続けてしまう。
一人用の人狼ゲームなのだが、
特定の条件でクリアしないとストーリーが解禁されてないため、
毎回プレイ内容が変わっていき、退屈しないゲーム性を持つ。

プレイするたびにキャラクターのステータスが上がっていくため、
たとえ人狼が苦手であっても、最終的にはゴリ押しで進めることができるようになっている。

あくまで人狼風であるため、
本当の人狼とは違い、自分がゲームセットまで生き残る必要がある。
そのため、チーム戦の意味は薄く、ガチガチの人狼を期待していれば、期待外れになるだろう。

ゲーム序盤は、すぐに吊られたら噛まれたりして、なかなか話が進まないため、
まず、吊られにくさと噛まれにくさを上げるステータスを高めていくことがお勧め。

特筆すべきはゲームの世界観であり、
ゲームをプレイしていくたびに、だんだんと明かされていく設定が、とても魅せるものだった。
登場キャラクターの人数が多いが、混乱せずにストーリーを追う工夫がされている。

人狼というストーリーが不要であるはずのゲームに対して、
SFの設定・世界観をうまく反映させた良い作品だった。

ダウンロードはこちらから。

ゴジラ-1.0

『ゴジラ-1.0』 2枚組 [Blu-ray]
山崎貴(監督), 神木隆之介(出演), 浜辺美波(出演), 山田裕貴(出演), 青木崇高(出演)
5つ星のうち4.3
¥4,673

戦後直後の日本にゴジラが登場し暴れる話。

面白い。

戦争が終わり苦しい状況の中でゴジラが暴れるという
とんでもない状況であり、
それを民間が力を合わせて対応していく様子が描かれる。

人間ドラマがメインであり、
戦争によって登場人物の心に変化があったところに、
ゴジラという焦点を当てて、その感情を乗り越えるというものとなる。

サクサクとテンポよく物語が進んでいくのも良いし。
規模は小さいながらも、みんなで力を合わせて対応するところはスカッとする。
おススメの映画。

ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち<全2巻>

ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち(1) (角川コミックス・エース)
しのづか あつと(著), 島田フミカネ&Projekt Kagonish(その他)
5つ星のうち4.5
¥638

ストライクウィッチーズシリーズの一つで、
ワイト島という拠点を守るウィッチを描いたもの。
時系列は、宮藤がアニメ版1期の活躍をしている同時期の出来事となる。

全体的にイマイチ。

「エース級の実力のないウィッチたちの戦いを描く」というテーマなのだが、
その世界観を物語に生かし切れていない印象を受ける。

ウィッチとしての実力がないならではの「知恵や発想を用いた様々な攻防戦」のようなものがあれば、
もっと感情移入できるのだが、ただ敵機とドンパチをしているだけで、
隊員たちの頑張りや苦悩といった感情が伝わってこず、
登場人物の魅力もイマイチ。

大した目標もなく、お色気のシーンをダラダラと描写している印象だった。

ブレイブウィッチーズPrequel オラーシャの大地はとても良い作品であるため、
シリーズに興味があるならば、まずはそちらの作品を読むことをお勧めする。

君は喧し閉じてよ口を! <全4巻>

君は喧し閉じてよ口を! 1 (ドラゴンコミックスエイジ)
アルデヒド(著), 森田 俊平(その他)
5つ星のうち4.8
¥711

聴覚に障害のある中学生の女の子が、転校先のクラスメイトとの交流を描くもの。

とても面白い。

この手の作品にありがちな、悲観的なエピソードというものはなく、
基本的に、回りの人物との関わりを描いたコメディになる。

男の子のボケと、主人公の毒舌な突っ込みがテンポの良く
脚本やセリフ回しにセンスがあり、
そのやり取りに笑ってしまう。

登場人物の作り方もうまく、
全員が個性的で良いキャラクターのため、
安心して読み続けることができる。

全四巻と短く、サクッと読める良い作品だった。
おススメ。

自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール

自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール (池田書店)
双葉 陽(イラスト), はぴふるガール編集部(編集)
5つ星のうち4.4
¥850

小学生女子をターゲットにした、日常で大事なマナーや立ち振る舞いを紹介したもの。

とてもわかりやすい。

「漫画形式のストーリー」と「意識すべき立ち振る舞いや心構え」が交互に繰り返されていき、
最後まで飽きずに読むことができる。
「ステキ女子計画」を進めていく主人公の頑張りに、共感を持つことが出来て良い。

メインコンテンツであるノウハウが、カラーのイラストでわかりやすく描かれている。
実施すべきことが精神論ではなく、非常に具体的に書かれており、
すぐに実施できることばかりで説得力もある。

ファッションや髪型、可愛い立ち振る舞い、といった女子独自の視点も解説し、
また、あまり他人に言えないような、体のことや感情の悩みについても
アンケート形式という形で客観的に紹介され、
様々な人がいるということに、納得できて安心する内容。

絵も可愛く、内容も非常にわかりやすい良い本だった。

放課後ウィザード倶楽部<全4巻>

夢と魔法のファンタジーのような世界に
寝ているときにだけ冒険できるようになった男の子たちの話。

主人公たち以外にも、多くの現実の人間が
異世界を冒険しており、
戦う以外にも、それぞれの価値観で楽しんでいる雰囲気が良い。

世界観・設定が良くできており、
異世界側で存在している細かいルールが、
伏線として生きていきそうなに張り巡らされている。

しかし、少しずつ盛り上がっていったところで、
途中で打ち切られてしまったため、
終盤が非常に駆け足で、わけのわからない展開になったのが残念だった。