投稿者「fsato」のアーカイブ

理不尽な魔物のヒナ

幼い魔物の面倒をみるシミュレーションノベルゲーム。
2時間ほどでクリア。
鏡のマジョリティアの作者の前作ということでプレイ。

基本的に魔物の健康状態を確認し、
本で得た知識を使って、それに見合った食料を与える、
という流れにになる。

ただ、流れが同じのため
発生するイベントのレパートリーが少なく、
だんだんと飽きてきてしまったのが残念。
一癖あるストーリーだったが、
これまでの流れで、そこまでキャラクターに感情移入できていなかった。

最新作のゲーム性がとんでもなかっただけに、
期待を超えられなかった作品。

ダウンロードはこちらから。

鏡のマジョリティア

主人公だけがルールがわからないカードゲーム「マジョリティア」で遊ぶ話。
ネタバレを見ずに7時間ほどでクリア。

とても面白い。

全くルールがわからない中で、
状況から少しずつ効果を予想して、進めていく。
ルール理解のための仕組みも優しく、
どれだけの未プレイヤーへのテストプレイがあったのか予想がつかない。

何よりも素晴らしいのが、試合の戦略性。

対戦相手のカードが固定されているため、
試合が始まる前に、どれだけ積み込み(イカサマ)を行うことができるか、
それをもって詰将棋のように正解に少しずつたどり着いてくのが、
この上なく気持ち良い。

また、勝利条件が試合によって変わることが大きな特徴であり、
後半になるとゲームバランスを壊すような試合になっていく。
特に、シープという相手とのデッキでは、
カードの効果や展開に度肝を抜かれた。
このような発想ができることに心から尊敬する。

久々に良いゲームをやった。
これだからフリゲは面白いと感じる作品。

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神は見返りを求める

売れない女性Youtuberと、
その作品作りに手伝っているお人よしな男性との関わりを描いたもの。

人気獲得をしたい女性と、
女性と関わり合いをしたい男性とのギャップで
序盤からこれからどうなるのかわからない不穏な空気が流れる。

ひずみ始めると、
お互いにどんどん歯止めがきかなくなっていき、
YouTubeの舞台でエスカレートしていく復讐劇に、
周りの視聴者の反応もリアルで怖い。

YouTubeという舞台で、
人間の心の悪い部分を表現した怖い映画だった。

脱サラフードデリバリー配達員テンパりマンガ日記

UberEatsの配達員が、仕事で印象に残っている体験を紹介するコミックエッセイ。

配達員になるまでの流れや、
配達時に気を付けること、苦労することといった、
配達員側の仕組みを知ることができる。

配達員が参入することに敷居が低く、
よくシステムが考えられており、今の時代にあっていることがわかる。
また、フードデリバリーの業界の台頭により、
お店や利用者側も工夫が進み、様々な需要があることがわかった。

嫌なお客さんなどもいると思うが、
本書に書かれているのは、心温まるエピソードばかりで共感できる内容であり、
普段利用しないサービスを勉強できる良書だった。

クラインの壷

1989年に書かれた小説で、主人公が、特殊な装置を使い、
公開前のバーチャルリアリティのゲームをテストプレイする話。

イメージとしては、20世紀少年や名探偵コナンの「ベイカーストリートの亡霊」のようなもので、
意識が、現実とほとんど変わらない疑似現実世界にダイブするものとなる。

今から30年前以上に書かれたSF小説ということで、
多くの方に作者の先見の明を評価されているようだが、
本テーマであれば、十分にあり得るストーリーでそこまでの驚きを受けるものではなく、
また、設定や世界観の感激も薄かった。

1時間半ほどで読める小説のため、
過去のSFの流行を知りたいならば読む作品。

娘がいじめをしていました (コミックエッセイ)

自分の娘がいじめの加害者となった親が、
周囲とのやり取りを描いたもの。

とても面白い。

タイトルからだと、加害者となっただけかと思われたが、
さらにそこから、また物語が一転し、
登場人物たちが余計に苦しむことになっていくのがつらい。

感情移入をさせるためか、すべてが親視点で描かれ、
どこまでの子どもの話が正しいのかも判別できず、
対応が非常に難しい問題であることがわかる。

親側が過去にいじめを受けていた経験があることから、
余計に、わが子に対して辛く当たってしまうこともわかるのだが、
子ども側としても、漫画内に描かれていないような事情を感じ、
読み手として、一概にあるべき論を語れないものとなっている。

話を知って冷静になれず、事柄を大きくしていく大人たちもリアルで、
どのような対応が、子どもにとって一番幸せになるのかもわからない状況。

非常に考えさせるテーマであり、読めて良かったと思う作品。

すべては子どものためだと思ってた (コミックエッセイ)

わが子の幸せを願うばかりに、
毒親となっていく母親の様子を描いた漫画。

面白い。

子どもの失敗を心配し必要以上に干渉を行うことで、
周りにとって、相当な負担になっていることが描かれる。

本人にとっては善意的な行動であるため、
何か問題が発生しても、自分に原因があると把握できず、
「さらにフォローをしなければ」と
悪循環に陥っていくことが非常に怖い。

だんだんと狂気的になっていく絵柄も、
物語を上手に表現してゾクゾクする。

極端な教育の一例を、手軽に追体験できる漫画だった。

ルックバック(映画)

映画 ルックバック B2ポスター HJ
ノーブランド品

¥7,790

漫画を書くことが好きな女の子が、不登校の同級生に出会い、作品を高めていく話。
原作漫画は読了済み。

面白い。
原作も十分面白かったが、映像作品になることで、さらに感動した。
声優の演技やBGMの使い方もよく、
必要なところでキッチリと盛り上がることができた。

天邪鬼だが努力家の主人公と、
それに引っ張られて成長していく不登校の同級生が
わかりやすい物語で描かれる。

二人が漫画に熱中し、どんどん結果をだしていくことが爽快で、
見ていて感情移入もしやすく応援したくなる。

登場人物がほとんどいなく、
短編漫画を1時間にした映画だが、間延びせず感動できる青春劇。
おすすめ。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
アンディ ウィアー(著), 小野田 和子(翻訳)
5つ星のうち4.7
¥990

記憶喪失の男性が、宇宙船で目覚めるところから始まるSF小説。

非常に面白い。

科学知識を総動員して、少しずつ状況がわかっていく序盤からすさまじく、
読んでいてワクワクが止まらなくなる。
上巻の中盤から大きな場面転換があるが、
お約束のような展開も、科学的な設定で説明・考察があり唸らせる内容。

骨太な設定と世界観を味わえる、
事前情報を知らないまま読めて心から良かったと思える作品。
良いSF小説だった。
強くオススメ。

天使にラブ・ソングを…

天使にラブ・ソングを… [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
ウーピー・ゴールドバーグ(出演), マギー・スミス(出演), ハーヴェイ・カイテル(出演), キャシー・ナジミー(出演), ウェンディ・マッケナ(出演), エミール・アルドリーノ(監督)
5つ星のうち4.6
¥980

マフィアの殺人現場を目撃してしまったクラブ歌手が、
身を隠すために修道院のシスターとして過ごす話。

とても面白い。

他のシスターとウマの合わなかった序盤から、
だんだんと味方が増えていき、
修道院が賑わっていく様子に爽快感がある。

聖歌隊としての歌のシーンも魅力的で、
見ていて自然と笑顔になってしまう。

盛り上がるところでしっかり盛り上がり、
ハラハラドキドキするようなわかりやすい話で
万人にオススメできる映画。