投稿者「fsato」のアーカイブ

マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト 通常版 [DVD]
木村拓哉(出演), 長澤まさみ(出演), 鈴木雅之(監督)
5つ星のうち4.2 5つ星のうち4.2

殺人事件の犯人が現れると告発のあったホテルへ、刑事が潜入捜査する話。
シリーズものであるが、前作は未視聴。

とても面白い。

ホテルに宿泊する客の全員が、あたかも怪しいように魅せており、
見ていてドキドキハラハラする展開が続く。
途中、一気に情報量が多くなり、誰がどの名前だったのかがわからなく、ついていけなくなったところがあったが、
これも、その瞬間でパニックになっている警察側へ、そのまま感情移入するための仕掛けだったんだろうと、
改めて思い返してみてわかる作り。

人を疑う刑事・人を信じるホテルマンの、対比やぶつかり合いというのが強く強調され、
誰も足を引っ張っているわけではないのに、うまくいかないところがあるのが、良い意味でもどかしい。
第三者の視聴者としては、どちらの言い分や行動も正しく、
全員がプロ意識をもって仕事をしていることが伝わるようになっている。

キムタクは相変わらずカッコ良く、長澤まさみもうまい演技で、大変満足のいく映画だった。

エイリアン9-エミュレイターズ-


「エイリアン9」の続編であり、過去「エイリアン対策係」だった3人が、中学校で事件に巻き込まれる話を描く。

全体的にイマイチ。

世代という考え方が良くわからず、敵が何をしたかったのかも結局伝わらなかった。

前作は、設定が説明不足ではあったものの、それを上回る世界観で魅せており、
「この世界ではそういうものである」と納得させるだけの表現方法だったのだが、
本作では、ただわけのわからないままで、話が進んでいる印象。
「人間に害をなす怪物をやっつける」というだけで話が終わったり、
女の子の感情変化の理由が、受け取れないままであった。

前作のキモが「小学校最後の1年間で成果をだせるかどうか」という部分で、
限られた時間の中で、様々な暗躍があるところだったために、
そういった意味でも、今回の中学生の話は蛇足と感じてしまった。

エイリアン9(アニメ)<全4話>

エイリアン9 Vol.1「第9小学校 エイリアン対策係」 [DVD]
井端珠里(出演), 清水香里(出演), 下屋則子(出演), 富沢ひとし(原著)
5つ星のうち3.0 5つ星のうち3.0

エイリアンを退治するために「エイリアン対策係」に選ばれた3人の小学生の話。
原作は読了済み。

漫画版と比較して、色や動きがあるため、何が起こっているのかがわかりやすい。
台詞音声が付くことで、漫画版以上に、主人公の絶望を感じることができ、
良い意味で、作品の深みを感じることができた。
原作通りのストーリーだが、原作よりもさらにテンポがよく、どんどん次を見ることができる。

ただ、原作の中盤くらいでアニメ版の話が終わってしまうため注意が必要。
エイリアンを退治しているの目的がはっきりしないままであり、
世界観の魅力が半減してしまうところのため、ぜひ原作も読んでほしい作品。

エイリアン9-コンプリート-<全3巻>


エイリアンが出没する地球で、「エイリアン対策係」に任命された3人の小学生が、力を合わせてエイリアンを退治する話。

面白い。

人間の持っている技術力でエイリアンの侵略を阻止するのではなく、
すでに存在しているエイリアンと共生して、他のエイリアンからの侵略を防ぐというのが特徴。

「なるたる」のような系統であり、可愛い絵柄でほのぼのと始まったところから、
話が二転三転し、どんどん救いのない展開となっていく。
少しずつ世界観が明かされていき、残酷な話が、
彼女たちの環境では当たりまえのように説明されていくため、目が離せなくなる。

残念だったのは、登場人物の顔が、全員同じように見えてしまうところであり、
差別化できていた髪型も、戦闘中は、帽子をかぶりながら行動をするため
初めは、誰が誰なのかが見分けがつかなかった。

最後が若干の説明不足であるが、これはこういうものとして、面白いSFであると感じた。

マンガでわかるマンション管理員

マンガでわかるマンション管理員
河村 誠(著), 南野 苑生(著), 堀田 孝之(著)
5つ星のうち4.4 5つ星のうち4.4

マンション管理人として働いた経験を漫画にしたもの。

マンション管理人というと簡単で楽なイメージが強いが、
実際には全くそうでないことがわかる。
苦労した点や嬉しかった点などが赤裸々に描かれるが、
ほとんどの仕事が、建物の管理よりも対人の折衝であり、
マンション住人の民度が低ければ、とんでもない大変な仕事であることを知ることができた。

筆者と奥さんが良い人であり、最終的に報われていくため、後味を良く読めた。

すずめの戸締り

椅子になった青年を助けるために猫を追いかけては、
その行く先々で、災害の原因となる扉を閉めていく話。

震災の色が強く、それらを形ある怪異と描く。
この発想は素晴らしく、動物たちは反応するものの人間にだけ見えないものとして表現することは見事で
現実でもこうなのではないかと考えてしまう。
映像もきれいで、それが一層不気味さを引き立てている。

ただ、残念ながらストーリーは私には合わなかった。

主人公の自己中心的な考えや行動が目立ち、
行く先々でさまざまな人に助けられながらも、迷惑をかけていく様は肌に合わなかった。

猫を追いかける方法も全く計画性がなく、
Twitterの投稿やニュースを見て次の場所を探していくのは運が良すぎるだろう。

また、そもそも主人公が一番初めの騒動を起こさなければ、
何も起きていなかったはずであるため、その部分を考えるとモヤモヤしてしまう。

猫が何をやりたかったのか不明であり、
なぜ主人公たちを助けるのか、なぜ青年を椅子にしたのか、なぜ最後に石に戻ったのかが読み取れなかった。
主人公が、だんだんと猫に対して湧いていると思っていたのだが、
終盤、青年の身代わりに猫が石となり、それで果たしてハッピーエンドで良いのかと思ってしまう。

また、青年の夢が、主人公のおかげで壊されてしまったことに、青年が憤りを感じるのかと思っていたのだが、
なぜか、最終的に主人公に恋をしているような描画があり、全く感情移入ができない。

君の名はや天気の子は非常に満足のいく作品だったため、
それと比較すると残念だったデキ。

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 ブルーレイディスク [Blu-ray]
福山雅治(出演), 柴咲コウ(出演), 北村一輝(出演), 松雪泰子(出演), 堤真一(出演), 西谷弘(監督), 東野圭吾(原著), KOH+(その他), 亀山千広(プロデュース), 福田靖(脚本), 福山雅治(Unknown)
5つ星のうち4.3 5つ星のうち4.3

女性刑事が、大学教授に推理の助けを負い、殺人事件を解決しようとするもの。
ドラマ版の続編であり、そちらは未視聴だが、本作品にて単体で楽しめるようになっている。

現場に遭遇した数学教師が、事件を隠蔽しようとするところから話が始まるため、
視聴者には、犯人が誰なのか、初めからわかっているのだが、
トリックや事件の状況が断片的に明かされていく。
何が起こったのかが、終盤で一気に展開され、
カタルシスを感じることができる。

ミステリー作品の一種であるが、このような見せ方もありなのかと勉強になった。

各俳優の演技も良く、特に、数学教師の何を考えているのかわからないところが、とても不気味で怖い。

おススメ。

ぼっち・ざ・ろっく!<全12話>


ギターが上手なものの、対人関係に極度に難のある女子高生が、バンドを始める話。

主人公が妄想癖を持っており、周りを無視して奇行に走ったり奇声をあげたりする描画が多く見られる。
もし、一緒にいたら、迷惑極まりなく、たまったものではないだろう。
周りのメンバーが、ここまで主人公に優しく気を遣う理由もわからない。

文化祭も、せっかく全員で準備したにもかかわらず、
主人公のせいでぶち壊しになり、本当に最悪な印象を受けた。
これについても、メンバーから何もお咎めがなく、感覚に違和感がありすぎる。

巷では評価されているが、私には合わなかった。

チェンソーマン<全12話>


チェーンソーの怪人に変身できる青年が、悪魔と呼ばれる異形と戦う話。
原作の漫画は読了済み。
ストーリーは原作そのままで、サムライソードを倒すところまでが描かれる。

原作同様に面白い。

主人公の異常性と、予想できないストーリーで、どんどん先が見たくなる。
原作と違い、絵がとてつもなく綺麗であることも特徴で、それだけで満足できるデキ。
戦闘描写の質が非常に高く、縦横無尽に動き回るキャラクターはもちろんのこと、
血しぶきや建物の残骸なども丁寧に描かれる。
どれだけの時間をかけてアニメーションを作ったのかを考えると震えてしまう。

ぜひ、続きを見たいと思う作品。

トリガー<全5巻>

トリガー(1)
トリガー(1)
posted with AmaQuick at 2023.01.01
武村 勇治(著), 板倉 俊之(著)
5つ星のうち4.3 5つ星のうち4.3

各都道府県に一人ずつ、「トリガー」と呼ばれる、銃を持ち発砲を許可された人物が配備された日本の話。

面白い。

それぞれのトリガーは己の悪と認識したものを、容赦なく殺害していく。

各話で主人公が異なる、オムニバス形式をとっているのだが、
それぞれの主人公で異なる信念があり、その信念のものに発砲していくのが楽しい。

また、トリガーだけでなく、トリガーの周りの環境の商売や、殺害された遺族などにも焦点が当てられていく。
この制度が発令されたら起こり得そうな負の出来事も存在するため、話に説得力があった。

単なる勧善懲悪ではないところが、見どころともいえる作品。