自分の娘がいじめを受けていることに気が付いた親が、
解決に向けて、学校や子どもたち、それぞれの親と関わっていく話。
とても面白い。
登場人物が多く、初めのほうは混乱してしまうため、
どの名前の子どもがどのポジションにいるのか、
一番初めの登場人物紹介ページで、都度把握して読み解く必要がある。
簡単に見える話だったところが、
いじめの真相がわかってくるにつれて、
それぞれの子どもたちにも考えがあることがわかり、
登場人物の印象が、どんどん変わっていくのが素晴らしい。
全員の親が子どものことを大事に思っているところは救いだが、
それによって、事態がさらにややこしくなっていく様子もあり、非常に難しい。
どの子どもも苦しんでおり、
大人があてにならなく頼りにできない様子や
「自分がいじめられても仕方がない」と思ってしまう様子など、
どうすればよいのかわからないもどかしさに、共感できてしまう。
「いじめ」という問題に対して、
大人だけでなく、子どもの視点でもどのようなことが起こりえるのかを追体験できる本。
オススメ。