アラビアンナイトをモチーフにした剣や魔法の世界で起こる冒険劇。
絵がとても綺麗で、単行本の表紙から魅せるものがある。
迷宮(ダンジョン)と呼ばれる異世界を冒険するファンタジーのシーンもあるものの、
人と人との思想の違いやこれによっておこる戦争も多く描かれる。
魔法で自分の姿がカッコよく変わったり、派手に魔法が使われたりして
戦闘は迫力があり非常に見ごたえがある。
特徴的なコスチュームばかりで、よくこの数を考えられるというほど。
ストーリーが中盤から終盤にかけて失速してしまったのが残念。
序盤から中盤にかけては、わかりやすい冒険劇・成長と何やら陰謀めいたものがうっすらと見え、
何が起こるのか読んでいてワクワクするのであるが、
途中、時間軸が大きく動いたあとは、話が雑になったような印象を受けた。
盛り上げようとしているのはわかるのだが、「実は~だった」という脚本が多くて分かりずらく、
一人ひとりの発言も軽く単純になってしまっていた。
最後も尺足らずな部分があり、回収されていない伏線がある事も心残り。
ファンタジーの世界での冒険劇を楽しみたい方向け。