10分程度しか記憶できない人類の生活を描くSF小説。
突然記憶が保持できなくなったことに混乱する世界で
テキパキと解決に向けて頑張る主人公は応援したくなる。
危機感を煽らされる中、
大人たちも全力を尽くして問題を収束させようしており
まさに手に汗を握る展開が続く。
後半では、数年後の未来が舞台となり
魂がどこにあるかという哲学的なテーマが描かれる。
事件の影響により生まれた新しい生活スタイルやビジネスは
妙にリアリティがあり惹きつけられ、
その中で人間が一線を超えていく様子も面白い。
最後がモヤモヤした感じだったのは残念だったが
記憶ができない、という単純な設定だけだけで
ここまで話を膨らませられるのは素晴らしかった。
失われた過去と未来の犯罪 (角川書店単行本)
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KADOKAWA / 角川書店 (2016-06-02)
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